経営層のための「稼ぐ力」を高める不動産戦略

働き方改革法対策・オフィス編(1)多様な人材が働ける環境とは JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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求められるオフィス改革

 この地図は、東京大都市圏を昼間と夜間の人口密度で、区や市ごとに色分けしたものです。オフィスワーカーだけの動きを示すわけではありませんが、主要5区(中央、千代田、港、新宿、渋谷)の昼夜の人口密度が大きく変化することからも、現在のオフィスのあり方は、まだまだ都心のオフィスに通うことが前提になっていることが読み取れます。

 しかし、前述のとおり、新たな働き手を採用する働き方改革はこれまでのオフィスのあり方のみではうまく行かないのです。働く人を中心にオフィスを考える場合、次の3つのパターンのオフィスの組み合わせで働く環境を整えることが効果的であると考えられます。

・第1のオフィス=メインオフィス:メインの仕事場となるオフィス 社内コミュニケーションの核

・第2のオフィス=サテライトオフィス:基本的にはメインオフィスと同様に仕事ができる郊外や近郊都市に分散したオフィス。従業員が生活やその日のスケジュールに合わせて活用できる

・第3のオフィス=コワーキングスペース:社外の人とも同じオープンオフィスを共有し、ホットデスクではたらくメンバーシップ制の共用オフィス。コミュニティー形成のハブとしてもグローバルに拡大している

*参考記事

第1のオフィス メインオフィス

ヒトはどこで働くべきか、仕事場選択の時代

第2のオフィス サテライトオフィス

サテライトオフィスは働き方を変えるか?(前編)「なぜここで働くか」明確な意志が生産性高める

サテライトオフィスは働き方を変えるか?(後編) 究極の働き方改革「ライフワーキング」を実現

第3のオフィス コワーキングスペース

第3のオフィス「コワーキングスペース」がもたらす生産性革命

 このようなオフィスの展開を検討し、新たな働き手も含め、多様な人材が働けるオフィス環境を考えることは、経営層にとってないがしろにできない重大な課題なのです。

経営層はシニア層もデジタルネイティブ世代の若者も、性別や雇用形態も問わず、それぞれの事情に応じた多様かつ柔軟な働き方ができる「社会」を実現する働き方改革を、「会社」で実施する責任があります。「会社」とそこで働く者それぞれがかかわる「社会」への配慮や社会的責任(CSR)もさらに重要になります。

 経営者は会社の働くインフラを整備する義務があり、社員の社会とのかかわり方(ソーシャルライフ)にも配慮したオフィスを提供することは今やグローバルのトップ企業では経営理念のスタンダードとなりつつあるのです。

佐藤 俊朗(さとう としろう)
JLL 執行役員 コーポレート営業本部長
1988年、米系大手不動産サービス会社に入社。約10年間の米国勤務を経て、日本法人で企業不動産(CRE)ならびに海外不動産サービスを事業責任者としてけん引したのち、2012年、JLL入社。四半世紀以上に渡り、日本企業及び外資系企業向けに、グローバルかつ総合的に不動産サービスを提供。不動産コンサルティングから取引管理、ポートフォリオ戦略、施設管理、海外不動産投資実務まで、広範な分野で専門的な知識と経験を持つ。明治大学ビジネススクールの兼任講師も務め、「グローバルCRE戦略論」等の不動産関連講義を担当している。取得資格:FRICS MCR 米国不動産ライセンス(NY/NJ/CA州) 宅建

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