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働き方改革法対策・オフィス編(1)多様な人材が働ける環境とは JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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<家族の介護をしながらフルタイムで働けないワーカー>

 要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では28.2%、85歳以上では60.0%となっています。(公益社団法人生命保険文化センター資料 厚生労働省「介護給付費実態調査月報」、総務省「人口推計月報」の各平成29年6月データより)

 掲載の日本の人口ピラミッドでみると、これから5年後には第一次ベビーブーム世代が要介護の中心的年齢層に到達し、要介護人口が現在よりも急激に増加します。人手不足により介護士も確保が難しく、介護施設も不足になります。そうすると、5年後には、男女問わず、現在40歳代の働きざかりの層の多くのワーカーが親の在宅介護をする必要が出てくることが予想されます。

 要介護者の状態にもよりますが、基本的には在宅勤務中心型のテレワークを制度化し、リモートIT環境を企業がサポートし、働きやすいホームオフィス環境に加え、使用時間によりチャージされるコワーキングスペースのメンバーシップを付与することが効果的であると考えられます。

 例えば、ホームオフィスからバーチャル会議室システムを使って、オフィスに出勤した場合とそん色ない程度に会議参加ができるなどの対応で、企業へのエンゲージメントが高まるのではないでしょうか。

<デジタルネイティブ世代>

 生まれながらにしてインターネットとつながった生き方をしてきたデジタルネイディブ世代(現在の30歳前後より若い層)が就労すると、アクティブな働き方を求めます。

 AI/IOTと共存しながらクリエイティブな仕事をする、これかからの働き方にマッチしたこの若者世代をどう確保するかが、世界中の企業の重要課題になっています。日本の人口動態ではこの世代が極端に先細りしていることが、少子高齢化の最大の問題となっています。

 テレワーキングを容易に受け入れるこの世代は、どこでも働ける能力が高く、業務内容によって適した環境や場所の選択肢を求めます。コミュニケ―ションやコラボレーションにより新しい発想を啓発されます。

 この若くして高度な専門性を持つプロフェッショナルとなることができる優秀な人材を惹きつけるには快適なオフィス環境が重要です。日本の古くからの組織管理方法の島型配置の書類に埋もれたオフィスで、朝から晩まで同じ机で働くことは、生産性を阻害する要因となります。

 メインで勤務するオフィスは、フリーなホットデスクと、コラボレーションやコミュニケーションを促進するスペースやツールがあり、また社外のコミュニティー形成ができる最新のコワーキングスペースが理想の働き場所として、生産性を向上させます。

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