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働き方改革法対策・オフィス編(1)多様な人材が働ける環境とは JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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<家事、育児と仕事を両立させたい女性ワーカー>

 女性がアシスタント的な役割のみならず、より専門的かつ重要なポジションにつくケースは日本でも年々増えています。しかし、実際には家事・育児と仕事を両立しながらオフィスに通うのは非常に多くの制約があります。

 東京近郊では保育所や託児所が不足し、待機児童のいる世帯ではオフィスに通うことが基本的に難しくなります。また、企業が託児施設を都心のオフィス近くに設置しても、ラッシュアワーではベビーカーの移動は無理があるでしょう。時差通勤するにしても駅中の移動や駅から託児所やオフィスまでの移動は大きな負担となります。

 育児や家事と仕事を両立するこの新しい働き手は最も時間的な制約があるのです。上司や同僚に仕事時間を合わせる業務や、繁忙期に長時間の業務を強いられるプロジェクト型の業務では、突発的な業務対応が難しいため、各働き手の生産性を低下させてしまうことがあります。

 こうした女性ワーカーは時間を意識して働きます。単純な事務処理であるか専門的かつクリエイティブな業務であるかにかかわらず、決められた時間で、時間当たりのアウトプットや効率性が問われる仕事の方が向いているのではないかと考えられます。

 オフィスとしては、通勤時間や移動時間が少なく、集中できる環境が望まれます。自宅や託児所から通いやすい、または、何かあった時に戻りやすい距離にあるサテライトオフィスやコワーキングスペースが必要でしょう。在宅テレワークも通勤がない分有効な手段ですが、生活空間との区分けが無く、IT環境も整わない例も多いことから、かえって長時間労働になってしまう傾向もあります。

 現在日本では、コワーキングスペースを設置する場所を、都心の大型拠点でだけではなく、沿線や郊外の生活圏により近いところで展開したり、託児所併設型としたりする取り組みが検討されています。企業側から明確なニーズがあれば、こういうコワーキングスペースの供給は増え、家事・育児と仕事を両立したい女性にとって働きやすい場所を確保することがより現実的になってきます。

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