経営層のための「稼ぐ力」を高める不動産戦略

働き方改革法対策・オフィス編(1)多様な人材が働ける環境とは JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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働き方改革法の企業への影響

 働き方改革法は長時間労働の是正が法規制の中核です。働く人の健康増進とワークライフバランスの改善につながる一方で、現在働いている従業員が会社に提供する労働時間の総量は大きく縮小します。また時間当たりの賃金額は増加することが予想されます。

 企業は利益を確保、拡大させなければ、株主配当や従業員の報酬への期待に応えることがでません。働き方改革を推し進めながらも、稼ぐ力を維持しなければならないのです。総労働時間が縮小することで業務アウトプットが減少するのを補うためには、ITなどの効果的なツールを導入し労働時間当たりの業務生産性を向上させるか、新たな人材を採用することが欠かせません。

 しかし、期待されている人工知能(AI)で人手不足を解消できるか現段階では未知数で、AIを本格導入するには大きな投資が必要です。さらに、少子高齢化が進む日本では人手不足はますます深刻化し、現在と同じ雇用のやり方ではこれまでのような業務アウトプットを確保するのは難しくなります。

 企業は今後適用される法規定や省令を順守する必要があります。しかし、それだけで各企業の経営目的に沿った働き方改革が実現し、生産性を向上させることができるでしょうか? 働き方改革法は経営層に、自らが具体的な対策を検討するように迫っていると言えます。

 各職場での具体的アクションや実際の業績に及ぼす影響は現段階では明確にイメージしにくいのではないでしょうか。しかし改革法は中小企業向けの一部規定を除き、来年2019年4月から施行されます。企業に与えられた準備期間は1年を切っています。

これからのオフィスワーカーの構成とオフィスイメージ

 総労働時間の縮小と人手不足により、これまでとは異なる潜在的オフィスワーカーを掘り起こす必要があります。企業でも、オフィスワークと分類される業務にシニア層、子育て中の主婦層、介護をしながらフルタイムでは働けない人といった人材を取り込もうと検討を始めるところが増えています。

 ここで、新たな働き手となる層をそれぞれ検証し、働き方や適したオフィスのあり方について考えてみます。

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