ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

総会シーズン 「企業再生」の古典から新刊まで 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 こうしてみると、不振に陥った組織を復活させるためにやるべき基本的なことは、方法論としてすでに明らかになっているのではないだろうか。にもかかわらず、企業の変革・復活は難しい。それはいつの時代でも、企業の破綻・倒産が絶えないという事実からもわかる。できることなら、変革が必要にならないようにしたい、というのがすべての経営者の願いだろう。

「生きている会社、死んでいる会社」

 「生きている会社、死んでいる会社」( 遠藤功著/東洋経済新報社)は、経営は「老化」との闘いであると説く。会社は老いる。創業時代の情熱は失われ、「現状維持でいい」「あえてリスクに挑戦しなくても……」と保守的になる。しかし会社は人間と異なり、きちんとメンテナンスを行えば永続することは可能だ。そのカギとなるのが新陳代謝である。すなわち、「古いものが新しいものに次々と入れ替わる」ようにするのである。

 新陳代謝とは具体的に(1)捨てる(再生の可能性のない事業や商品・サービスから撤退する) 。(2)やめる(価値を生み出さない無駄な業務などを廃止する)。(3)入れ替える(過去の成功体験から脱却できないような幹部を交代させる) を指す。

 この3つの行動=新陳代謝を行えるのが「生きている会社」だという。 生きている会社の条件は、次の3つである。

 (1)「熱」。ほとばしる情熱がなければ、何も始まらない。もし、情熱を失っているのなら、会社の創業の理想に立ち返り、情熱を取り戻す。あるいは、未来指向で新たな理想を掲げることで情熱を取り戻す。

 (2)「理」。 独善的ではビジネスは成立しない。常に理性的、客観的な視点を保ち、「理詰め」で考え抜くことが大切だ。

 (3)「情」。社員たちの心の充足。社員たちの心に働きかけ、発奮させることなしに、挑戦や創造は起こり得ない。人の能力には幅があり、情に働きかけることで、より多くの能力を引き出すことができる。

 この3条件が整うことによって、会社は活性化し、生まれるのが「利」(利益)である。従って、利を最大化したいのであれば、「熱」「理」「情」という3つの条件を充たせばいい。会社の本質を突き詰めていくと、最後はこの3つに行き着く、と遠藤氏は語る。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。