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話が「長い」「主語なし」「抽象的」と自覚していますか? トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 今回は「話し下手なシニア」について論じたい。まずは、「話を聴かないシニア」について考えた前回と同様、私が30代の頃感じていたことや現在の20~30代と話しているときに出てくるシニアの話し方の特徴を挙げてみる。

■話が長い

 シニアの話は長いことが多い。いざ話し始めると、その話がなかなか終わらない。簡潔に話してくれない。途中で脱線したり、文脈が変わったりする。1つの文章が終わる前に、次の文章が始まるような話し方もするので、「いつ別の話題に変わったのかな?」と首をかしげることも多かった。話がループしてしまうことで長くなるタイプのシニアもいる。たとえば、こんな感じだ。

 「ヒアリングでちゃんと聴いてこないから、ピントのあった提案が作れないわけで、プレゼン力を高めるより、ヒアリング力の強化をしたほうがいいって前から皆に言っているんだけど」

「聴く力のほうが大事ってことですね?」

「そうそう、プレンゼン力ばかり目が行くけど、ちゃんと聴けてないことがお客さんに刺さる提案にならないと思うんだよ、ヒアリング力が大事なんだよね。わかる?」

「はい、わかります」

「ヒアリング力を磨かないと!皆が気にしやすいプレゼンのことばかり目を向けてちゃダメなんだよ」

(はい、はい、ヒアリングのこと、もう3回繰り返してますが…)と思ってしまった。

■主語がない

 話が長い割には、何の話をしているのか、文脈が読み取れないことも多い。主語がないのだ。「誰の話をしているのかなぁ」「何の話かなぁ」とよく思ったものだ。聴き手と前提が合っていないにも関わらず、その前提を話してくれないこともよくある。たとえば、あるシニアは前職での経験を話しているらしいのだが、前職の状況や背景の説明なしに、具体的なエピソードだけ聞かされる。その職場のことは私にはわからないので、「ええと、今は何の話をしているのかな?」と戸惑うばかりだ。しかも、質問しようにも、延々と話しているので、なかなか割り込めない場合も多い。主語も時制も変わることがある。こんな例だ。

 「お客さんとのプロジェクトの会合には若手を連れていくといいんだよね。お客さんと若いうちから同席するのはいい経験になると思うから、それ、慣れてくるじゃない。ま、で連れて行くわけだけど、上司がそうしてくれて。あ、俺のね、昔の上司はよくそうしたもんだけど、A君を連れて行ったら、すごく喜んでいて、お客さんと難しい話をするのが刺激的なんだよね、若いころ、してもらったから、淳子さんも後輩にしてあげるといいよ」

 どこで時制が変わったのか、どこで主語が変わったのか1回でわかっただろうか。話し言葉で聴くととてもわかりづらい話し方なのである。

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