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今からでも分かる「朝鮮戦争」の5冊

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 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との初の米朝首脳会談が、きょう12日にシンガポールで開かれる。北朝鮮の非核化に次ぐ主要なテーマが朝鮮戦争(1950~53)の終結問題だ。国連軍を代表する米国と北朝鮮、中国の3者によって休戦協定が結ばれたが、法的には現在も戦争状態が続いている。電撃開戦、ソウル陥落、国連軍反撃、中国参戦、マッカーサー解任、板門店休戦――朝鮮戦争は第2次世界大戦後の日本のあり方にも大きな影響を与えた。分かりやすく要点をつかめる関連書籍5冊を選んだ。

■半世紀読み続けられた名著

 オーソドックスな一冊としては「朝鮮戦争」(神谷不二著、中公文庫、税抜き590円、以下同)。初版は1966年だから半世紀以上も読み継がれていることになる。著者は慶応大教授で、朝鮮半島の動きを国際政治の視野から分析し、極東の局地戦争ではなく世界史的な意味を持っていたことを説いている。

 現在では北朝鮮側が周到に計画して奇襲したことが明らかになっている。同書では、執筆当時はまだ資料的な制約が多かった冷戦さなかにもかかわらず、早くもその点を指摘している。まだ米軍の占領下にあった日本への影響としては(1)単独講和と日米安全保障条約(2)特需ブームによる経済復興(3)再軍備――を挙げている。なかなか戦前の水準を回復できなかった日本の鉱工業生産指数は50年10月には100となり、開戦後1年間の生産上昇率は46%に達したという。神谷教授は「わが国産業構造の高度化、重・化学工業化への軌道が敷かれ、10年後の『高度成長』のための礎石となった」としている。

 朝鮮戦争の経緯をもっと詳しく知りたい方にお薦めは「図説 朝鮮戦争」(田中恒夫著、河出書房新社、1800円)。1ページごとに地図や写真がふんだんに掲載されており、地理事情に不案内でもスムーズに頭に入ってくる。著者は元防衛大学校助教授。初めてのジェット戦闘機同士の戦いや、この戦争で米海軍が空母不要論などを一掃したエピソードなども盛り込んでいる。

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