長島聡の「和ノベーションで行こう!」

布地の超小型車で地方の移動にイノベーションを 第16回 伊藤慎介リモノ代表取締役社長に聞く

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ちょっとした距離を自動運転バスで結ぶ

伊藤 おっしゃる通りでニーズとシーズのミスマッチがあると思います。事業化という点でいうと、例えば東京の国際展示場駅と東京ビッグサイトの間に1人100円で乗れる自動運転バスが走っていれば多くの人が使うので採算が取れるのではないかと妄想しています。では誰がそのようなサービスを提供するかというと、自動車メーカーではなく、鉄道会社やバス会社やタクシー会社が考えられます。しかし、そういう会社の多くは単独では投資する体力がないので、ジョイントベンチャーのような形で異業種のやりたい人が集まって細かいところから埋めていくやり方が実現の可能性があると考えています。

長島 例えば関東のJR中央線と、並行するように走る京王線、小田急線と西武線とかの間を結ぶ足が足りないと思います。バスもありますが、ちょっと使いにくい。それこそオンデマンドの取り組みで、途中にある商業施設と住宅と駅を結べるようになればいいのですが。

伊藤 JR京葉線の幕張イオンモールの近くに新駅を作る構想があります。既に計画が決まってしまいましたが、駅を作るのでなく既存駅から自動運転バスを電車のように高い頻度で走らせる、(インフラ整備を最小限に抑える)インフラライトなアプローチを考えた方が良かったと思います。日本は、非常にインフラリッチ(インフラが豊富)でソフト目線での取り組みが弱いと感じます。

長島 1カ所成功したら同じような場所を真剣に探せば見つかりますよね。それを10個見つければ10倍の事業になるし、ちょっとの工夫でコピペできるはずです。今は事業実証というより、技術実証の側面が強いと感じます。

伊藤 元役人だから言いますが、国が実証実験に予算をつけるのはやめたほうがいいと思っています。国は環境整備に特化して、実証実験の出口が民間のビジネスにつながるような環境づくりに力を入れるべきです。

 そのためには、担当する役人を最低5年間はその事業につきっきりにさせる必要があります。現状では2年とか3年で代わってしまうので、担当者が変わったのちにモチベーションが失われて消化事案になってしまうのです。超小型モビリティーの事業をやるようになって分かったことは、一般の人から理解できる取り組みをすればするほど、家族からの直接的なフィードバックが得られやすいということです。家族など素直に本音で意見を言ってもらえる形にしなければ、真にユーザー目線での事業につながらないと感じます。

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