AG/SUM キーパーソンに聞く

生産から流通までパッケージにした「植物工場」で農業ビジネス参入 オーガニックソイル・渡邉誠一氏

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――今後のオスミックトマトの生産計画は。

 千葉県内では千葉市の第1棟に次いで、年内に3棟(栽培面積2160~3888平方メートル)が稼働予定です。このほかに、現在までに群馬県(同1920平方メートル)、今年3月に茨城県(同2160平方メートル)と愛知県(同2016平方メートル)が稼働しています。さらに、年内から来年にかけて山梨、愛知、静岡、兵庫、香川、熊本、沖縄の各県でオスミックハウスの開業を計画しています。23年までにオスミックハウス150棟、総栽培面積30ヘクタール、年間生産量5000トン、出荷金額100億円を目標にしています。

 しかし、オスミックトマトはこれ以上は作りません。オスミックハウスは全自動で環境管理する最先端システムで、従業員は日曜が休みです。それだけ手間とコストをかけていますので、販売価格をむやみに安くするわけにはいきません。一方で消費者が甘くて高品質なトマトをいくらならば購入してくれるのかという消費者調査を常に実施しています。消費者が納得して購入する価格に見合う高品質な農産物を、年間を通して安定的に供給する。このために独自の生産・流通をパッケージにする戦略を構築することが農業ビジネスに新規参入するためには必須条件です。

ITで「オスミック」システムの強化めざす

――「オスミック栽培」による植物工場により、トマト以外でも従来にない農産物が実現できそうです。

 トマトと同時に研究してきたイチゴの試験栽培に着手しています。ハウス栽培のイチゴは11月頃から5月までが収穫時期ですが、これを通年生産、出荷の実証検証を行っています。この実証検証で成功すれば、夏にイチゴ狩りができることになりそうです。

 このほか、マンゴーやメロンでも年間を通した安定供給の実現を考えています。夏は北海道、冬は沖縄においてオスミックシステムで生産することで、いつでもマンゴーが店頭に並んでいると考えると、とても楽しくなってきます。将来はコメの生産も視野に入れています。

――「オスミック栽培」のIT面の課題は何でしょうか。

 環境制御システムの構築はデータが生命線です。生産する地域や品種が増えるにつれ、ビッグデータをどう処理していくかが問題です。農産物の糖度を上げるには日照時間が少ない秋から冬の季節をどうするか、病気に対する防除も重要です。これらの課題を解決していくために、もっと高度なITの活用が欠かせません。人工知能(AI)や収穫ロボットにも大いに興味を持っています。

――アグサムで何をアピールしますか。

 トマトから始めた「オスミック」を全国で通用するナショナルブランドにしたい。アグサムはオスミックの取り組みを多くの人に知ってもらう絶好の機会だと思っています。認知度を高めるために試食コーナーも設けます。ぜひオスミックトマトを手にとって食べてみて、オスミック栽培の可能性を感じてほしいと願っています。

(松藤 政司)

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、営業、技術、製造、プレーヤー、イノベーション、M&A、AI、IoT、ICT

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