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コマツ元社長・安崎氏に学ぶ「最期の日々」 作家・医師の久坂部羊氏寄稿 「賢明な死にざま」を考える

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■医療否定につながりかねず、専門家は真実に口を閉ざす

 しかし、それを公表すると、医療の否定につながりかねないので、専門家はなかなかほんとうのことを言わない。安崎氏はどういうルートかわからないが、この現実をよくご存じだったのだろう。だから、賢明な道を選ぶことができた。

 賢明な最期を迎えるためには、本当のことを知ればいい。どうすれば安らかな最期が迎えられるか、虚心坦懐(きょしんたんかい)、かつ即物的に理解することだ。聞こえのいいきれい事や、実現の見込みもない先端情報で安心していると、真実は見えない。

■中高年から「死」を意識をしなければ失敗の恐れ

 心の準備も必要だろう。何かあったとき、慌てて救急車を呼んだりすると、いや応なしに病院に運ばれる。そうなると医療のベルトコンベヤーから逃れられない。救急車を呼ばずにおくには、死ぬときは病院に行かないほうが楽だということを、普段からしっかり理解しておく必要がある。

 いつまでも元気で生き生きとなどと、メルヘンのような気持ちでいると、取り返しのつかない失敗を犯してしまう。中高年のうちから、死を意識しておかないと、高齢になっても「そのとき」を受け入れられない。ふだんから死と向き合うのはつらいかもしれないが、大丈夫。慣れれば死の恐怖も和らぐ。

 人は一回しか死ねないのだから、うまく死ぬには準備が必要なのは当然だ。死の準備に早すぎるということはない。当たり前のことだが、だれもが毎日一日ずつ、その日に近づきつつあるのだから。

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