YESの9割はフロントトークで決まる!

説明上手な営業がNo.1になれぬ理由 営業コンサルタント 和田裕美氏

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■売れている人は相手を良く知っている

 「営業って、説明がうまい人が売れるんでしょ? 私は口下手だし……」こう思っている人がいるかもしれません。けれど、説明が上手な人が「売れる」わけでもないのです。

 質問をして「相手をよく知る」人が売れる人なのです。あなたにも経験がありませんか?「いらない」といっているのに、「うちの浄水器がどれほど素晴らしいか」と延々と話されて、話している相手に嫌悪感を覚えたようなことが。よい商品やサービスが山のようにありますが、お客様がその商品に少しでも興味がある状態でない限りは、どんなにがんばって商品を説明してもいらないものなのです。

 「とてもいい浄水器だとわかりました。だけど、実はうちの夫が浄水器メーカーの営業部長なんです。ご説明いただいてありがたいのですが、うちは間に合っています」と、いわれたらどうでしょうか?なぜ最初に、相手に必要性があるか? 欲求があるか? を探ってないのかということです。恥をかきます。

 私の会社にも、ウェブの問い合わせフォームを通してこんな問い合わせが来ることがあります。

 「弊社は、営業のコンサルティングや、営業マンを育成するセミナーを開催しております。御社の営業マンの生産性を飛躍的にアップさせていただけます。よろしければ以下の日程でご訪問させていただいてよろしいでしょうか?○月○日 14時~ ○月○日 13時~」

 あの……、皆さんは私が営業コンサルタントだとご存じですよね。いや、おまえなんか、実力もないからオレが教えてやろうと、この人が思ったかもしれませんが、それにしてもちょっと失礼な営業です。私はこのメールを見たとき、あまりのショックに数秒かたまってしまいました(笑)。ウェブをもっとちゃんと見れば同業だってわかるのにね。

 こんな営業マンに営業のノウハウを教えてもらおうと思いますか?ありえないですよね。相手を知らずに売ろうとしている人に営業ができるはずないのですから。どんなに上手な説明であっても、欲しくないものは欲しくないし、必要でないものはいらないのです。だから、「相手を知る」ことなんです。いや、そんな生ぬるい言葉じゃ駄目ですね。「相手にとことん興味を持って、相手のことが、知りたくて知りたくてたまらない」という状態になっていることが何より大事なわけなのです。

 また、「素晴らしい説明をありがとう。でも私には必要ないようです」という結果になってしまうだけならまだましで、相手が長い自慢話を聞かされたような気分になって「この人には、もう二度と会いたくないな」と思われたら最悪です。

 とにかく「聞いて、聞いて、聞いて、話す」のリズムで、相手のことを深く知っていくことがフロントトークの基本となります。

和田 裕美著『YESの9割はフロントトークで決まる!』(日本経済新聞出版社)「第2講 どう売るのか(1)」から
和田 裕美(わだ・ひろみ)
株式会社HIROWA代表取締役。営業コンサルタント。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。京都府出身。外資系教育会社でのフルコミッション営業で、プレゼンしたお客様の98%から契約を獲得、世界142カ国中第2位の成績を収める。20代にして、女性初、最年少で支社長に。独立後、営業コンサルタントとして、国内外で研修や講演を展開する。『世界No. 2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』(ダイヤモンド社)、『和田裕美の人に好かれる話し方』(大和書房)、『成約率98%の秘訣』(かんき出版)、「和田裕美の営業手帳」(ダイヤモンド社)など著書多数。

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