YESの9割はフロントトークで決まる!

説明上手な営業がNo.1になれぬ理由 営業コンサルタント 和田裕美氏

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 「聞いて、聞いて、聞いて、話す」のリズム――。98%の契約率を達成した経験を持つ営業コンサルタントの和田裕美さんは「説明上手な人=優秀な営業マン」とは限らないと指摘します。

■あなたが決断できるのか

 ではここから、YESの9割を決定するといわれる「フロントトーク」を説明します。

 私が営業成績で世界ナンバー2になったときの契約率は98%だったのですが、これは100人のお客様に説明したら、98人が契約してくださったという数字です。当時は「和田マジック」と呼ばれていました。この結果を導いたものが「フロントトーク」だったのです。

 話し方とか表情など大事な要素は他にもありますが(これらは第5講で説明します)、それらを差し引いても、フロントトークの影響は大きいのです。ではなぜ、9割も、決定するのか?それは最初に「即決」の促しをするからです。つまり、商品の説明、お金の話もしていない段階で、「今日、決めてください」というニュアンスのことを伝えるのです。

 こういうと、「えっ? そんなこというの? そんなこといきなりいって、お客様に引かれないですか?」と、不安になる人もいますよね?もちろん、だからこそ、「今日、決めてください」というセリフをいえる土台づくりとして、それまでにお客様と交わす会話が重要になります。

 それまでのすべての会話を含めてお客様が、「確かに早いほうがいいな」と思ってくださるトークの流れこそが、フロントトークなのです。本題に入る前の単なる雑談や、つかみの話をフロントトークと呼んでいるわけではありません。

 誤解がないようにいっておきますが、私は、ガツガツした営業マンが嫌いです。自信満々で、押してくる感じの営業はもう「古典?」と思うほど古くさいと思っています(笑)。だから、100%誓っていいますが、私はここで無理に即決を求めたり、ぐいぐい押したりすることは一切しません。事実しか述べません。大げさな話もしません。

 私が求めるのは、ただただお客様の自発的な行動です。それを促すことに、もっとも力を注いでいるのです。「あなたは即決できますか?」「えっ、その場で決めるなんて無理です。私はちょっと考えたいタイプなので……」もし営業する側のあなたがそう思っているとしたら、残念ながら今のところは、すごい結果を残せる可能性は低いでしょう。

 「なんだ、じゃ無理だ」とここで諦めないでくださいね。要は、即決することに対して、自分自身が納得していないままでは、お客様の背中を押すことなんてとてもできないですよ、といっているのです。だから、まずはあなたの考え方を変えることが先決です。

 ここで、次の質問に答えてください。できれば、3つ以上は答えが欲しいです。

 「なぜ、すぐに決めたほうが、先延ばしにするよりもいいのか?」

 これはすごく大事なことです。自分の内側にある答えを出してみてください。ちなみに私は、せっかちといわれるくらいに決断が速いです。でも、元からそうだったわけではありません。かつては、優柔不断でなんでも先延ばしにするタイプだったのです。営業をするようになって、人の背中を押せるようになるには、まずは、自分の背中を押せるようにならないと嘘つきになってしまうと思ったから、根っこから考え方を変えていったのです。

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