YESの9割はフロントトークで決まる!

顧客の「3つの問題」を見抜けば売れる 営業コンサルタント 和田裕美氏

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■買った後の「未来」のイメージを伝える

 どんなことでも、やってみないとわかりません。お金や時間などのいろいろなネックを抱えて、多くの人は「わくわくした未来」への一歩を踏み出せないでいます。そんな人の背中を押すことができる。これこそが営業の醍醐味です。だからこの段階のお客様にどんどん出会えばいいのです。最初から「欲しい」といってもらう必要はありません。

 「今もこれからも間に合っているし、いらないです」と、お客様にいわれたらどうしますか。普通は、「あ、そうですか……」と引き下がってしまいそうですね。でも、そんなにあっけなく退散しないで、あと少しだけ世間話でもしてみてください。買っていただける可能性はゼロではありません。

 今のままでいい、現状満足という状態では、人も企業も成長できません。だからこそ、多くの人は「もっとよくなりたい」という願望を顕在的、あるいは潜在的に持っているのです。そこに可能性があるのです。私ならば、こういうお客様に出会った場合、「○○様にはもう必要ないと思うので、今日は詳しい説明はいらないみたいですね(笑)。ただ、せっかく会っていただいたので、今後、もしかしたら必要になった場合の参考にしてください」と、いったん軽めに引いてから、次のように切り出します。

 「そういえば、○○様のように現状に満足されている企業様こそ、最近はこのサービスを積極的に取り入れていらっしゃいますね」

 「そうなんですか?」

 「はい、世の中の変化のスピードが想像を超えるほど速くなっています。今までの3年は、感覚として1年くらいです。だからこそ、将来どうなっていたいのかを明確にして、ご自身の感覚よりももっと早めに準備をされる企業様が増えています。○○様でも、将来的には、スタッフの方が自立され、店舗を任せられるようになったりするといいなとか思われますか?」

 など、未来のニーズを引き起こします。「そういわれたら、まあそうですね」というお返事をいただけたら、可能性が見えてきます。

 個人のお客様であれば、

「今も未来も十分おきれいだと思うので、エステは必要ないかなと思います。でも、今おきれいだからこそ、それを維持するだけでなく、年齢を重ねても、さらにもっときれいになれたらいいなと、少しくらいは思われますよね?」

「まあ、そうですね」

というような流れです。

 気づきを起こして、未来をつくる。その未来を欲しいか欲しくないかが、「今、買いたい」につながります。あなたが本当に売っているのは、モノではなく、それによってもたらされる効果です。問題を解決したあとに起こる“こと”です。前項で記入した「お客様が抱えている問題」が実際に解決したあと、その人、もしくはその会社の3年後はどうなっていますか?5年後は?10 年後は?

 たとえば、サービスが向上して、顧客満足度は上がり、リピーターが増え、売上がアップし、社員の待遇もよくなり、よい人材が集まってくることで人件費が削減できた。結果、すごく会社が成長した!なんて“こと”が起こるかもしれません。あくまでも可能性です。しかし、何もしなければ起こらないのですから、最高にわくわくしてイメージしてください。

和田 裕美著『YESの9割はフロントトークで決まる!』(日本経済新聞出版社)「第1章 誰に売るか~お客様の心を知る」から
和田 裕美(わだ・ひろみ)
株式会社HIROWA代表取締役。営業コンサルタント。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。京都府出身。外資系教育会社でのフルコミッション営業で、プレゼンしたお客様の98%から契約を獲得、世界142カ国中第2位の成績を収める。20代にして、女性初、最年少で支社長に。独立後、営業コンサルタントとして、国内外で研修や講演を展開する。『世界No. 2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』(ダイヤモンド社)、『和田裕美の人に好かれる話し方』(大和書房)、『成約率98%の秘訣』(かんき出版)、「和田裕美の営業手帳」(ダイヤモンド社)など著書多数。

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