日本企業の競争力を奪った統治改革の失敗 経営はだれのものか

イノベーションを潰す悪しき利益志向経営 加護野 忠男

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 ケース3では、事前に合理的ではないと評価されているわけであるから、他社が競争してこないので、もし成功すれば利益を独り占めにして大きな成果が得られる可能性がある。

 ケース4は、当然の失敗である。この場合、合理的ではないと事前に評価されているわけだから、あまり大きな投資は行われないはずである。だから、失敗も小さい。

 事前の評価をもとに合理的に投資を行うと、表2-3の上側の結果しか得られない。小さな成功と大きな失敗である。事前評価にこだわらずに選択を行った場合には、同表の下側を選ぶことができる。この場合には、大きな成功と小さな失敗が得られる。

 事前の利益評価は大切だが、それにこだわりすぎることによって利益を失ってしまう可能性もある。

加護野忠男 著『経営はだれのものか ―協働する株主による企業統治再生―』(日本経済新聞出版社、2013年)「第2章」から
加護野 忠男(かごの ただお)
1947年、大阪に生まれる。1970年、神戸大学経営学部卒業。1975年、同大学院博士課程修了。同講師、助教授を経て、1988年同教授、同大学院教授に就任、2011年甲南大学特別客員教授、神戸大学名誉教授。2013年より大阪経済大学客員教授 経営学博士。専攻は、経営戦略論、経営組織論。企業統治論。

キーワード:経営層、管理職、企画、経営、技術、ものづくり、経理、イノベーション

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。