技術を武器にする経営 日本企業に必要なMOTとは何か

技術者が引きこもりやすい三つのタコツボ 伊丹 敬之、宮永 博史

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三つのタコツボ

 前回見たように、技術者は意味のない忙しさに振り回されがちだ。技術者が傍目八目の視点を持てないのは、技術者が技術の世界に引きこもってしまうからである。いわゆるタコツボ化現象である。周りから見れば、明らかにタコツボに入っていると思われるのに、当の技術者はタコツボに入っていることに気づきにくいのが、この問題のやっかいなところだ。それどころか、タコツボの何が悪いと技術者に開き直られる場合すらある。

 なぜ技術者がタコツボに引きこもるかといえば、そこが決して窮屈な空間ではなく、むしろ技術者にとって居心地のいい空間であるからだろう。技術者が引きこもるタコツボには主に次の三つのフィールドがある。

1.学会
2.専門分野
3.開発プロジェクト

 先端技術を開発する技術者にとって、学会の存在は不可欠だ。その価値は改めて言うまでもないだろう。学会が発行する学会誌・論文誌や学会が主催する国際会議によって、最先端の技術動向を把握し、技術者同士のネットワークを築くことができる。

 技術に国境はないこともあって、学会活動は早くからグローバル化している。国内の主要な学会は国際学会と緊密に連携しており、技術者はグローバルに最新情報を入手できる。自ずと論文や口頭発表もグローバル規模で対象となる。技術論文で使用する英語は定型的で、日本人にとってもそれほどハードルは高くない。極端なことをいえば、技術系の学会は専門用語と数値だけで成果を伝えることができる世界だ。

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