技術を武器にする経営 日本企業に必要なMOTとは何か

イノベーションを経営する ―― 結実に必要な三つのプロセス 伊丹 敬之、宮永 博史

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イノベーションとは

 イノベーションが興されていくプロセスを経営するのが技術経営(MOT Management of Technology)である、というのがこの連載(そして書籍全体)のメッセージである。そのメッセージの解説の第一歩として、イノベーションという言葉の定義、そして経営という言葉の定義からまず始めよう。

 イノベーションとは、「技術革新の結果として、新しい製品やサービスを作り出すことによって人間の社会生活を大きく改変すること」である。

 イノベーションという言葉はしばしば技術革新と訳されるが、新技術開発だけではイノベーションにはならない。技術開発の結果として生まれる新しい製品やサービスが市場で実際に大きな規模で需要され、それが結実して人々の生活を変えてこそ、本当のイノベーションである。

 イノベーションの基盤にはもちろん新しい技術の誕生があるが、しかし新しい技術の存在だけではイノベーションにはならないのである。人間の社会生活を大きく改変するような、人々の生活に直接かかわる製品やサービスが新しくなり、新しくなったものが人々に利用可能なかたちで提供されなければ、産業的・社会的成果としてイノベーションが具現化されたことにはならない。

 つまり、新技術開発だけでなく、その技術を使った製品やサービスが市場で実際に求められ、結実して人々の生活を変えてこそ、本当のイノベーションであるとここでは考える。

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