成功するシニアビジネスの教科書

市場調査では見えてこないシニア市場 村田 裕之

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コールセンターは自前で持ち、顧客の潜在ニーズを直接感じよ

 そうした既存の商習慣を破壊することなしに、仮にメーカーが直接、シニアユーザーなどの消費者ニーズを把握できる有効な方法はあるのでしょうか? 答えはイエスです。

 それは、たとえば、メーカーが直接通販会社を持つことです。そして、通販会社の運営自体はアウトソースでも構いませんが、コールセンターなどの顧客と接点のある部分は絶対にアウトソースしない。実際に顧客と接し、会話のやり取りなどが行われる業務領域は、自社の社員が直接行うことです。ここがとても重要です。実際、業績の伸びている通販会社はすべて、この手法でやっています。もっと具体的に言えば、コールセンターには大きく2種類の役割があり、一つは商品の支払いに関する手続きなど事務的な処理で対応可能なもの。こちらはそれこそ電話会社への業務委託でも十分です。

 しかし、もう一つの顧客からの商品に関する問い合わせ、クレームなどの細かなニーズへの受け答えの領域はアウトソースしてはいけません。むしろ、なるべく製造部門の現場に近い立場の人が対応するのが理想的です。そこで交わされる顧客からのクレームや要望の生の声は、前述の小売業者のところで滞留していた貴重な消費者の生の声でもあり、調査会社や広告代理店への市場調査丸投げではなかなか入手できない情報です。

 そうした仕組みで顧客から直に仕入れた情報を活用し、試作品を製作したら、まずはモニター用として直営店などで売ってみる。その中から売れ行きの良いものを厳選した後に量販店での本格販売に移行すればいいのです。

 シニア顧客のニーズの基本は「不(不安・不満・不便))」の解消です。そして、そうした顧客の「不」は、顧客と直接、接していないとなかなか聞こえてこないものです。

メーカーも小売り化する発想を持つべき

 近年、小売業ではナショナルブランド(メーカー製品)以外のプライベートブランド商品が売り場でのシェアを上昇させています。いわば小売業者のメーカー化とも言える現象で、ますます消費者の既存メーカー離れが危惧されそうな流れにあります。

 このように、小売り業者がプライベートブランドでメーカー化しているように、メーカーも小売り化する発想を持つべきです。小売り化しないから、売れない商品を量産し、在庫調整ばかりやっている。そうではなく、メーカーも不採算で身売り先を求めているスーパーやコンビニを買収する。それぐらいの思い切った発想があってしかるべきです。

 今の時代に求められているのは、たとえば家電メーカーが同業のソニーの真似をする、あるいは東芝の真似をするのではなく、イオンやセブン&アイの真似をする。そうした発想です。たとえば、家電製品ばかりを売るコンビニがあってもいい。そうした新しい業態をつくる発想こそが、今、メーカーに求められていると思います。

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