成功するシニアビジネスの教科書

市場調査では見えてこないシニア市場 村田 裕之

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ネット調査では母集団のバイアスに気を付ける

デジタルゆえに回答者のアナログ情報が欠落する

 一方、インターネットで調査することの限界は3つあります。第一にアナログ情報が欠落すること、第二に入力インターフェイスが障害になりやすいこと、第三に母集団にバイアスがかかりやすいことです。

 まず、第一のアナログ情報の欠落について。紙アンケートの場合、意外に情報価値が高いのが自由記入欄などにおける手書きのコメントです。手書きコメントのよい点は、字の濃淡や記入の仕方、筆跡といった情報が含まれることです。これらの情報から書き手がコメントを書いている時の心境や雰囲気が伝わってくるので、書いてある文字情報以上の情報が得られます。

 これに対し、インターネットのアンケート回答には、こうしたアナログ情報は一切含まれません。私は講演やセミナーの講師に招かれた時に、受講者アンケートを見せていただくことがよくあります。講師にとってこのようなアンケートで最も有用なのは、手書きコメントの部分です。

 たとえば「今日の講演はためになったか?」という設問と「大変ためになった・まあまあためになった・あまりためにならなかった・まったくためにならなかった」といった選択肢はたいていあります。ところが、その設問のすぐ後に「なぜ、ためになったのか?」という理由を問い、自由記入欄を設けてある場合は、残念ながら非常に少ないです。

 実はこうした自由記入欄にこそ、受講者の本音が最も出やすく、受講者満足度が透けて見えるところなのです。だから、手書きコメントのないアンケート調査は、その価値は3分の1以下といってもよいでしょう。

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