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市場調査では見えてこないシニア市場 村田 裕之

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 アンケート調査に答えるという作業は、一般に楽しいものではありません。できれば最小限で済ませたい類の作業です。このため、設問の数や記入欄の書きやすさが回答内容の信憑性に影響します。

 一つのテーマについてあまり多くの設問があると、たいていの場合、回答者は途中で回答するのが面倒になります。また、自由コメント記入欄が小さく、記入しづらいとコメントを記入される確率が低下します。

 アンケート調査のこうした特徴を理解していないために、本来得られるはずの重要な情報をみすみす失っている例は枚挙にいとまがありません。

回答内容は「回答時の心理状態」に大きく影響を受ける

 回答内容の信憑性が下がるもう一つの理由は、「回答する時の回答者の心理状態」に大きく影響を受けてしまうことです。

 たとえば、前掲と同じ設問「あなたは、どんな気分の時に運動をしたいと思いますか?」の場合、同じ回答者でも、有名な歌手が脳梗塞を患い、リハビリ運動を懸命に行って見事に回復した体験談の記事を読んで、運動への期待感を持っている時の回答と、同年齢の人が運動しすぎて心臓発作で倒れて亡くなったニュースを聞いた直後の回答では、異なるということが起きます。

 だから、アンケートの回答内容と実際の購買活動とが一致しないことが頻繁に起こります。たとえば、アンケートには「価格が月1万円までならスポーツジムに通ってもよい」と回答したとしても、実際にジムに行って説明を聞くと、雰囲気が今一つのため、価格が月6000円以下でも申し込まない、ということが起こるのです。アンケートに回答した時と説明会で話を聞いた時とで、何らかの理由で心理状態が異なっているからです。

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