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情報武装した「スマートシニア」に売り手はどう対応すべきか 村田 裕之

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 体験入居者のこうした行動がいいか悪いかは別として、デジカメやスマホのようなIT機器をシニアでも誰でも手軽に安価に使える時代になったことが、こうした行動を取る人を生み出したのです。この流れはもう止められません。

 最近は「ショールーミング」と呼ばれる消費行動を取る人が増えました。これは、ネットであらかじめ欲しい商品の情報を調べたうえで、実店舗の店頭で実際の商品を手に取って確認し、店員に価格を尋ねたうえで、ネットで購入することです。実店舗では商品が売れず、あたかもショールームの役割にしかならないことから、こう呼ばれています。現代は売り手受難の時代になりました。

「スマートシニア」が増えると「買い手市場」が増える

 私は、1999年9月15日の朝日新聞で、ネットの時代の新たな高齢者像である「スマートシニア」というコンセプトを提唱し、今後の増加を予想しました。当時の定義では「ネットを縦横に活用して情報収集し、積極的な消費行動を取る先進的な高齢者」のことです。

 それ以来、「スマートシニアが増えていくと、商品提供側はいろいろ工夫をしないといけないから大変になる」という話をしてきましたが、15年経って予想通りになりました。スマートシニアが増えた結果、それまで「売り手市場」だった多くの市場が「買い手市場」になりました。従来の売り手の論理が通用しにくくなっています。製造業で言えば、従来のように大量生産して、大量に流通すれば売れる時代ではありません。常に買い手の変化を敏感に察知し、刻々と変わる買い手のニーズに柔軟に対応し続けないといけない時代になったのです。

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