成功するシニアビジネスの教科書

シニアの消費行動はいかにして起きるか 村田 裕之

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俗説(2) シニア層は、資産持ちなので日常消費も多い

 シニア層は、所得は少ないが他の年齢層より資産は多いことから、「やっぱり資産持ちなので日常消費も多いのだろう。都心のデパートなどで高級品を買っているのは大半がシニア層ではないか」といった声が聞こえてきます。実態はどうでしょうか。

 前掲の「家計調査」を眺めると、世帯主の年齢階級別の世帯当たり1カ月間の「消費支出」は、50歳代が29万5300円、40歳代が29万400円と金額が多く、60歳代、70歳代になると減少します。これを見ると、1カ月間の「消費支出」の傾向は、前掲の世帯主の年齢階級別の「年間所得」の傾向にほぼ比例していることがわかります。この1カ月間の「消費支出」の数値は、年間の消費支出を12カ月で除したものなので、厳密には月ごとに各費目の割合は多少変わっています。また、支出の中身は、毎月定期的に支出している食費や家賃などの「日常的支出」もあれば、年に数回しか支出しない旅行や冠婚葬祭のような「非日常的支出」も含まれています。しかし、この1カ月間の「消費支出」の費目の大半は「日常的支出」です。また、世帯主が60歳以上の世帯の主たる所得は年金であり、年金は隔月に1度の支払いですが、支払金額は毎月ほぼ一定です。

 これらより、世帯主の年齢階級別の世帯当たり1カ月間の消費支出は、ほぼ毎月の所得に比例していると言えます。つまり、資産が多いからといって、それが日常消費に回っているわけではないのです。

真実(2) シニア層の日常消費は、資産ではなく、所得にほぼ比例する

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