成功するシニアビジネスの教科書

シニアの消費行動はいかにして起きるか 村田 裕之

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 シニアビジネスに関して企業の皆さんから受ける質問で最も多いのは「シニアの消費行動の特徴について知りたい」「今後シニアの消費行動はどうなっていくのか?」というものです。シニアの消費行動については、企業の中に「シニアはアクティブで金持ち、時間持ちで人数も多い」というステレオタイプに捉える見方が相変わらず多いようです。まず、こうした偏った見方や大雑把な捉え方の「俗説」を排し、正しい認識についてお話しします。

巷にはびこるシニアの消費行動の俗説を排す

 日本の人口は2008年にピークを迎えてから減少を始め、今後も減少し続けると言われています。一方、2013年10月現在、65歳以上の高齢者人口は3189万8000人、高齢化率は25.1%を超えています。実は地方自治体別に見れば高齢者人口も減少するところが多くありますが、日本全体の高齢者人口は2040年まで増え続けます。その後は減少に転ずるものの、高齢化率はその後も上昇を続けます。高齢化率は2060年には39.9%に達すると予測されています。

 その高齢者が保有する資産は、総務省統計局による「家計調査」平成24年(2012年)によれば、1世帯当たり正味金融資産(貯蓄から負債を引いたもの)の平均値(図表1-1)は、70歳以上で2101万円と最も多くなっています。2番目が60~69歳で2052万円、3番目が50~59歳で1139万円、4番目が40~49歳で55万円と2桁下がります。39歳以下はマイナス、つまり貯蓄より負債のほうが多いのです。また、年齢階級別の持家率(図表1-2)で見ると、60歳代、70歳代ともに92%近い持家率となっていて、他の年齢層よりも圧倒的に高くなっています。

 このようにシニア層は、他の年齢層に比べて平均的には資産持ちです。このために、次の俗説がはびこってしまうのです。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。