営業改革、失敗の法則――そんな営業部ではダメになる

"現場経験"という妄想が営業マニュアル軽視を生む 藤本 篤志氏

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 これらはすべて、現場経験が営業マンを育てるという幻想を信じることで、営業知識の研修を重要視しないから引き起こる現象である。営業知識は、大きく分けて七つの分野を覚えなければならない。

(1)自社情報......自社商品、サービス、歴史、沿革、社長メッセージ等、自社に関わるすべての情報

(2)他社情報......他社商品、サービスの他、他社の営業手法、長所短所等、バッティング時に必要な情報

(3)業界情報......関連業界、関連市場における全体の流れ、最新情報等、自社の位置付けを記す情報

(4)自己経験......自分自身が営業現場で経験したことにより得た知識

(5)他人経験......先輩、同僚が営業現場で経験したことにより得た知識。共有化手段が鍵

(6)営業技術......営業ノウハウのこと。自己経験、他人経験、営業の専門家等の整理されたノウハウ

(7)一般教養......あらゆる分野の雑学。お客様とのコミュニケーションで大いに役立つ

 これらの内容を、たかだか1~2週間で覚えられるわけがない。また、1~2週間で大丈夫と考えている会社は、よほど営業という仕事を甘く見ているか、営業マンを使い捨ての道具としてしか考えていないということになる。どのように簡単な商品を売る営業だとしても、これだけ多岐にわたる営業知識がそのような短期間で身に付くものではない。

 また、営業知識は、一通りレクチャーを受けたから「はい、終了」という類のものではない。8割以上の受講者が及第点をとるレベルで記憶に留めておかなければならない。実際の営業現場でそれらの知識を活用しなければならないからだ。そのためには、テストやロールプレイング(模擬練習)などで学習レベルをチェックし、学習レベルが低い営業マンについては再度レクチャーしなければならない。それらをすべて終了させるのに1~2週間というのは、あり得ないということがわかるだろう。

 ところが、現場に出しさえすれば、商品知識も満足に覚えていない新人がそこそこ成績を挙げたりする。その見せかけに誰もが騙されてしまうのだ。「営業はとにかく現場に出れば何とかなる」と。

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