営業改革、失敗の法則――そんな営業部ではダメになる

元スーパー営業の成功体験と言い訳が営業改革のブレーキになる 藤本 篤志氏

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元ヒーローが改革ブレーキになる皮肉

 次に、元ヒーローが営業組織のトップではない場合、もしくはトップであっても、営業改革の推進を社長を含む社内の別の人間が行なうか、社外の営業コンサルタントが行なう場合を考えてみよう。

 「〇〇部長、さきほどの件について、少し確認させていただいてもよろしいでしょうか?」と、△△課長。

 「どの件についてかな?」と、現役の頃はスーパー営業マンだった〇〇部長。

 「昨日の営業コンサルレクチャーで、コンサルの××先生のメモを見ますと、このように言っていました。『イベント会場での接客は一人のお客様に長い時間を掛けることをせず、一人でも多くのお客様に短時間での接客をし、脈有り度合いを5段階に分類すること。但し、脈有りレベル1から3までのお客様には、できる限り、次回お客様のご自宅に訪問するアポだけは取っておくこと。逆に、アポに応じないお客様は、レベル4か5に一旦引き下げておくことを肝に銘じること。これを守れば、営業マン一人あたり一日最低20件の接客が可能となり、脈有りレベル3以上のお客様が平均25パーセントなので、平均5件の次回のアポ商談が可能になること。レベル3以上の商談から契約に至る確率は20パーセントなので、イベントを一回開催するたびに、営業マン一人平均1件の契約が成立すること』というような内容です」

 「......」

 「しかし、〇〇部長は、さきほどの会議で、××先生の提案は提案として聞くが、これからもイベント接客の基本方針は、商談が開始したお客様はそのままクロージングできるまで、たとえ2、3時間以上掛かろうとも、イベント会場を案内しながら粘ることだ、と指示し直されていました。××先生の指導の通りに動かなくても本当によろしいんでしょうか。なぜこのような失礼な質問を部長にさせていただくかと言いますと、私は××先生の指導の通りに動けば、いままでよりも受注数が上がるのではないかと期待するからなのです」

 「私は、入社以来ずっとクロージングまで粘る接客方法で、つねに一日2件平均の受注を獲得してきたんだ。△△課長も知っていることだろう。それに、××先生は、当社の現場をわかっていないし、責任もない。気楽なものだ。実際に責任を問われるのは私なのだから、私の指示に従うのが当たり前だと思わないか?」

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