営業改革、失敗の法則――そんな営業部ではダメになる

元スーパー営業の成功体験と言い訳が営業改革のブレーキになる 藤本 篤志氏

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 このように、営業マンは、不思議と言い訳だけは上手くなっていく。考えられ得ることは、営業という仕事は、コミュニケーション量が多い仕事だからであろう。人の成長の原理原則は模倣である。営業マンは、発注しない言い訳をお客様から学び、目標達成できない言い訳を同僚から学び、会社が良くならない言い訳を上司から学ぶ機会が多い。これは皮肉で言っているのではない。また、営業は日々動く数字を相手に仕事をしているので、他の分野の社員よりも報告業務が多い。そのような機会に恵まれることにより、必然的に、言い訳スキルが身に付いてくるようだ。

 この言い訳の上手さが、営業改革のブレーキの役割を果たしてしまう。営業マンですら言い訳が上手いのだから、営業課長や営業部長になると、その比ではない。実際に、営業コンサルティングをして、すぐに気付くのは、社長が営業上層部の言い訳報告に騙されている実態だ。営業上層部からすると、社長を言い訳で言い包くるめるのは、赤子の手を捻るようなものだろう。「営業社員はよく頑張っているんだけど、業績がいまひとつ上がらないんだ。全く原因がわからなくてね」という社長が多いのも肯ける。

 営業マンの上手い言い訳のひとつに、商品力や経済環境を問題にする場合がある。上場企業のIR資料ですら経済環境の悪化から書く企業が多いので、我々は、総言い訳民族なのかもしれない。冗談はさておき、上手い言い訳は、言っている本人もその気にさせるパワーがある。「自分たちは、自社の商品力が弱いにもかかわらず、よく頑張っている」「これだけ地合いの悪い経済環境の中、我々は、よく健闘している」と、営業部門の関係者全員が信じてしまうこともあるのだ。信じることほど強いものはない。そのような迫力ある言い訳が、営業上層部から経営会議で報告されると、他の部門の人たちも、なかなか指摘できなくなってくる。それどころか、「営業部には頭が下がる思いだ」となることさえある。

 その結果、営業改革は頓挫する。

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