トヨタ式リーダー育成法

「失敗に学ぶ」「失敗を繰り返さない」精神を具現化する 三澤 一文

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「トヨタ式」で練り上げた打開策

「藤井さん、どうもわざわざ本社から、ありがとうございます」

「はい。今朝、うちのリーダーから、至急だ、といわれたものですから。しかし、こちらに来る前にざっと財務状況を拝見したのですが、利益率も同業他社さんと比べてもトップクラスで、あまり数字上は問題なさそうな感じなのですが」

「はい、そのとおりです。ただし当面は、という条件付きです。ご存じのように、この業界のサービス手数料はどんどん低下する方向でして、早晩、当社の利益も大きく減少する可能性があります」

「それで、いまの対策は?」

「はい、サービス業なので仕入れ額を限界まで下げます。とはいえ、個々のお客さまのニーズをくんで対応するサービスなので、無理はできなくて。現実は個別対応になってコスト高になっています。また、新しいサービスを考えて売上を上げることも考えていますが、こちらは、まだ、検討段階です。急ぐのは前者の仕入れ額の低減です」

「そうですか。いずれにしても、対策を考えてすぐに実行しないとまずいです。こちらの会社のどなたか事情に明るい方と私でチームを組ませてもらえますか。私もトヨタの問題解決法でこれまでいろいろな改善をしてきましたので、2人でタッグを組めば、打開策はあると思います」

「藤井さん、心強いです。さっそくうちの課長の吉本を作業に当たらせます」

 いつもより藤井が強気の発言をしたのは、今朝のリーダーの苦虫を噛みつぶしたような顔が目の前に浮かんだせいかもしれない。

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