現場スピードを極める情報活用

「ダメな情報活用」を改める3つの鉄則 日経BPビジョナリー経営研究所 谷島宣之

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 「コンピューターの専門家でもないのに、なぜ自分でやらなければならないのか」という疑問もあろう。実は歴史を振り返ると、事業部門の利用者が自分で情報システムを作ったり用意したりすることは当たり前であった。

 コンピューターが企業に入り始めた40年から50年前、情報システム部門は存在していなかったから、営業部門が受発注システムを、工場が生産管理システムを、経理部が財務会計システムを、それぞれ担当し、コンピューターに指示を与えるソフトウェアを自力で開発し、しかも運用していた。その後、組織内に情報システムの専門部門が作られ、事業部門ではなく、情報システム部門がシステムの開発や運用・管理を担当するようになっていった。

 コンピューターが企業に入り始めた当時は、プログラミング言語を使って何万行、何十万行のコードを書いて情報システムを開発していた。だが最近は、プログラミング言語を覚えなくてもパソコンの画面上で指示を出すだけでシステムが出来上がる開発ツールがあるし、出来合いのパッケージソフトやインターネット経由で必要な機能を利用できるサービス(クラウドサービス)もある。自分で使うシステムを自分で作ることは50年前に比べ容易になっている。

周囲の組織・業務を本当に知っている? だから「自分で見渡す」

 「自分で決める」にせよ「自分で作る」にせよ、「自分で見渡す」ことが欠かせない。最終顧客、自分が所属する組織や部門、担当業務、関係する部門とその業務、といった全体を見渡してから、決めたり作ったりしたほうがよいという意味だ。

 ドラッカー氏が情報責任について説明していた通り、情報を「誰から得るか」、そして「どのような情報を出さなければならないか」を考え、決め、必要なシステムを作るには、自分の目の前の業務に加え、周囲を見渡さなければならない。

 前述したように最近のソフトやクラウド、あるいはツールを使えば、専門家でなくても相応のシステムを作れる。ただし、目の前の業務を効率化あるいは高度化することばかり考えていると、そのシステムが必要とする情報を他部門が入力するのを嫌がったり、そのシステムで作った情報が他部門で役に立たなかったりする。これでは情報責任を果たせない。

 自部門だけで完結し、他の部門と関わりを持たないシステムもあり得るが、どちらかと言えば例外であり、そのシステムを部門が使えば使うほど、意味のあるデータが蓄積されていくから、いつかは部門外のシステムとつなぐ必要が出てくる。

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