現場スピードを極める情報活用

「ダメな情報活用」を改める3つの鉄則 日経BPビジョナリー経営研究所 谷島宣之

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

【鉄則1 自分でやる】出発点は「自分で決める」こと

 3つの鉄則とは「自分でやる」「少しずつやる」「きちんとやる」である。「やる」ことの対象は情報活用と、それを支える情報システムの準備の両方とする。何よりも大事なのは「自分でやる」ことであり、ここを間違えると大金を投じて優秀と言われるコンサルタントを雇おうが、最新のコンピューターやソフトウェアを買い込もうが、情報活用の成功には至らない。

 各鉄則はそれぞれ、さらに3つに分けられる。「自分でやる」の場合、「自分で決める」「自分で作る」「自分で見渡す」となる。順に説明しよう。まず次の指摘をお読みいただきたい。

 今日のCEO(最高経営責任者)にもっとも必要とされるものが情報責任である。「どのような情報が必要か。どのような形で必要か」を考えることである。そうして初めて、情報の専門家が、こういうものをこういう形で得ることができると答えてくれる。しかし、実はその答えさえさほど重要ではない。重要なのは、「いつ必要か。誰から得るか。そして自分はどのような情報を出さなければならないか」という、より根本的な問題のほうである。

 社会生態学者を名乗ったピーター・ドラッカー氏の「コンピュータ・リテラシーから情報リテラシーへ」(『ネクスト・ソサエティ』に収録)という論文の一節である。同じ論文に次の下りがある。

 今日ではほとんどのCEOが、自分が知るべき情報を明らかにするのはCIO(最高情報責任者)の仕事だと思っている。言うまでもなくこれは間違いである。CIOは道具をつくる者であって、道具を使う者はCEOである。

 情報責任はCEOだけではなく、事業部長にも部課長にも、そして現場の一員にもある。営業を例にとれば、機動力のある営業活動を進めるために「どのような情報が」「どのような形で必要か」、その情報が「いつ必要か」、そして「誰から得るか」、情報を受け取って活用した後、「自分はどのような情報を出さなければならないか」を営業部門が考え、決めなければならない。

 「自分で決める」とは、情報責任を果たすことである。上記の問いへの答えを決めてはじめて、CIOや情報システム部門、あるいはシステム開発を請け負うITベンダーが、「こういうものをこういう形で得ることができる」と答えてくれる。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。