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「働き方」を変えたい! 意欲ある人材の満たされぬ思い 日経BPビジョナリー経営研究所 谷島宣之

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「意欲ある人材が集まる組織」をつくるには?

 以上の調査結果を踏まえ、働き手を雇用ないし活用する企業や団体の経営者・責任者はどう取り組んでいくのがよいだろうか。

 やや強引に結論をまとめるなら、「新しい働き方に意欲を示す人を取り込める、あるいは協業できる仕組みを早急に用意すべき」ということになる。その対象には女性とベテランが含まれる。

 まず用意すべき仕組みは多様な働き方を受け入れることができる人事制度である。さらに、様々な立場の人を巻き込んで仕事を進めていくために、プロジェクトマネジメントあるいはコラボレーションの手法を持ち込む必要がある。例えば、遠隔地にいる人も交えて会議を進めるためのルールを決めたり、プロジェクトチームの任務と役割を関係者が確認できる文書を作成したり、といった取り組みがある。

 こうした取り組みを、社内に机を持つ正社員を中心に仕事を進めてきた多くの日本企業は、案外やってきていない。そこで社内や社外のパートナーに対し、プロジェクトあるいはコラボレーション型の働き方のトレーニングをする必要がある。前述の通り、働き方を変えるためのトレーニングやセミナーへの参加意欲がある人材はかなりいる。

 色々な人が集まってコラボレーションをするためには、新しいコミュニケーションの仕組みも欠かせない。ほぼ全員がインターネットにつながっている社内外の人々を連携させる仕組みとして、クラウドサービスは有効な選択肢の1つである。自社で抱えている業務システムを社外の人に開放するより、社外のクラウドサービスを関係者で共有するほうが、簡単にコミュニケーションや業務支援の仕組みを用意できるからだ。

 紹介した調査結果はあくまでも働き手の意向である。だが、意欲ある働き手でも感じる「満たされぬ思い」を汲んで、新しい働き方を可能にする場を用意できるのは、企業や団体の側である。いち早く用意したところに意欲ある人材が集まるに違いない。

調査概要
 研究プロジェクト「クラウドエコノミー」の一環として、15歳(高校生以上)~69歳までの男女3410人を対象に、2014年9月26日~28日、インターネットを介して調査。目的は、働き方の変革とクラウドサービスの利活用に着目して、日本のイノベーションの可能性を明らかにすること。

 回答者3410人の内訳は「15歳(高校生以上)~19歳」「20歳~24歳」から「60歳~64歳」「65歳~69歳」までの11世代の男女155人ずつ。日経BPビジョナリー経営研究所と日経BPイノベーションICT研究所が企画し、日経BPコンサルティングが調査。回答者全体の結果はウェイトバック集計を行い、各年齢・各性別の回答に対し、日本の人口構成に基づく重み付けをした。
谷島 宣之(やじま のぶゆき)
日経BPビジョナリー経営研究所および日経BPイノベーションICT研究所の上席研究員。1985年、日経BP社に入社。「日経コンピュータ」「日経ウォッチャーIBM版」の記者を経て、94年「日経コンピュータ」副編集長。2007年、「日経ビジネスオンライン」「日経コンピュータ」「ITpro」の編集委員と「経営とIT」サイト編集長を兼務。2009年「日経コンピュータ」編集長、2010年同編集部長。2011年より日経BPビジョナリー経営研究所上席研究員。2013年1月に日経BPイノベーションICT研究所上席研究員を兼務。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、技術、経理、イノベーション、ICT、IoT、AI

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