現場スピードを極める情報活用

海外の日本企業、コミュニケーションの前提を築けているか マネジメントソリューションズ アンドリュー・ニューマン氏、高橋信也氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 高橋氏もこう指摘する。「米国では、車で行ける距離のオフィス同士であっても、ビデオ会議をよくやっている。ハイウエーが渋滞すると移動に時間がかかるからだ。サンフランシスコのベイエリアの中でも、ビデオ会議を当たり前のように使っている。ものすごく便利なので、活用しない手はない。以前は数百万円もしたビデオ会議システムであったが、今は非常に安価なクラウドサービスがたくさんある。カメラ付きのノートパソコンがあれば利用できる」。

 英語に苦手意識のある日本人はフェース・ツー・フェースのビデオ会議に消極的になるかもしれないが、高橋氏もニューマン氏も「臆することはない」という。

 「ビデオ会議のクラウドサービスでは、スプレッドシートやプレゼンテーション資料をクラウド上で共有し、双方が画面に表示させながら話せる。ビデオ会議の参加者全員が1つの資料に書き込みをすることもできる。文字を見ながらなら、米国人の英語をうまく聞き取れなくても、あるいは日本人の発音が拙くても、コミュニケーションの質は確実に上がる」(高橋氏)。

 ここで重要なのは、プロジェクトに必要な情報をクラウド上に置いておけば、海をはさんで関係者全員が情報共有できることだ。データベースや業務システムも、クラウド上に構築すればいつでもどこからでも使える。地理的に分散したグローバルプロジェクトのコミュニケーションには、こういうクラウド型の仕掛けが向いているのではないか。

 「コミュニケーションプロセスを標準化し、レポートの目的やルールを事前に決め、メンバーの理解を得た上でクラウドを活用していけば、異文化を背景にした問題にも対処していける」と高橋氏は語る。これもコミュニケーションの前提の1つと考えるべきだろう。

日本人の英語、「自信がないからしゃべらない」

 ただし、こうしたコミュニケーションのプラットフォームがあっても、1つ気になる点があるという。ニューマン氏は、「日本人はよく『自分は英語がうまくないから』と言うが、米国人の私から見て、そうでもないと思っている。本当に問題だと思うのは、日本人の話し方に自信がないこと。『もし英語を間違えたら恥ずかしい』という思いがあるのではないか」と指摘する。

 例えばニューマン氏の友人の中国人は、かなりブロークンな英語なのだが、よくしゃべるそうだ。一方、日本人は正しい英語を話そうとしている気持ちはよく分かるのだが、結局、適当な言葉が見つからなくてしゃべらないことがあるという。「良いアイデアを持っていても言わない傾向がある。それはとても残念なことだと思う。もっと自信を持って英語でコミュニケーションしてほしい」(ニューマン氏)。

※このインタビューの続編は『なぜ決まらぬ、海外プロジェクトでもたつく意思決定』でご覧いただけます。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、技術、経理、イノベーション、ICT、IoT、AI

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。