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海外の日本企業、コミュニケーションの前提を築けているか マネジメントソリューションズ アンドリュー・ニューマン氏、高橋信也氏

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 ニューマン氏は、以前参画した、ある日系企業のグローバルプロジェクトを例に挙げた。彼は米国側の進捗状況を日本の本社に報告する立場にいたが、報告の仕方があまりにも米国企業と違うことに驚いたと話す。

 米国企業は、プロジェクトで検討すべき課題リストなどをもとに電話で10~20分くらいレポートするのが一般的だという。しかし、この日系企業の場合、週に2、3回、5ページのレポートを提出することになっていた。日本人が聞いても面倒そうだと感じるが、「海外のプロジェクトの状況を詳細に把握しておきたい」という思いが本社側に強かったのだろう。

 とはいえ、この報告の煩雑さに米国側で不満が高まっていた。「なぜこれほどたくさんのレポートをしなければならないのか、意味をまったく理解できなかった。だから、米国側ではレポートの提出に非協力的になっていた」とニューマン氏は話す。

 どこまでレポートすべきかという点で、日米企業の感覚がかなり違っていたわけだ。

文化の違いを乗り越えるシンプルな方法

 こういう話になると、すぐ「文化の違いを理解しよう」という短絡的な議論をしてしまいやすい。それはもちろん重要なことなのだが、一方でニューマン氏は文化の違いを乗り越えるシンプルな方法を提案する。「コミュニケーションのルールを事前に双方で握っておくこと」である。

 「米国側と日本側が『何を知りたいのか』『何のためのレポートか』を相談して決め、それにどれほどの価値があるのかをメンバー全員に理解してもらった。結果として、1ページくらいのレポートを週1回出すように変えた。これなら時間もコストもかからないので問題が解決した。本来なら、プロジェクトが発足する前にコミュニケーションのルールを議論して決めておくべきだった」(ニューマン氏)。

 一緒に仕事をする相手がどの国の人であっても、最初にコミュニケーションのルールを話し合って双方が納得できれば、文化の違いは乗り越えられる。ここで生まれた「共通認識」は、コミュニケーションの前提としてグローバルプロジェクトの潤滑油になるはずだ。

 少し話は違うが、似たような問題がプロジェクトの計画やリスク管理などにもみられるという。

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