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クラウドで「早く安く」、システム開発に変革の波 ウフル 代表取締役社長 園田崇氏

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 もちろん、導入するシステムの内容によって、スモールスタートが適している場合とそうでない場合がある。その点は提案段階から顧客に説明し、よく理解してもらっているという。

 たとえば営業情報や顧客情報を使った「情報系のシステム」の場合、その多くはスモールスタートが適している。特にこの種のシステムの導入では、顧客自身でやりたいことが明確になっていないケースが多く、スモールスタートのメリットが特に大きい。一方、既存の「業務系のシステム」を作り直す場合などで、連動するシステムが多いとスモールスタートが難しいこともある。

「意見がきちんと反映され、すぐ実現する」という顧客の満足感

 顧客にとって「小さくとも、目の前に動くシステムがある」ことは極めて大きな意味を持つ。システムの検討段階では、システムは「形のない、曖昧なもの」であり、顧客とITベンダーの間で誤解や伝達漏れが起こりやすい。それに対し、目の前に動くシステムがあれば具体的なイメージを持てるようになり、早い段階で誤解や伝達漏れの有無を確認できるようになる。

 また、顧客は「あれも、これも、あったらいいな」とできるだけ多くの要望を詰め込もうとする傾向がある。しかし、実際に小さなシステムを操作し、月々の開発費用を念頭に置くと、「優先的に開発すべき重要な機能は何か」を冷静に判断できるようになる。こうした経験がシステムを「早く安く」開発するうえで計り知れぬ影響を及ぼす。

 さらに重要なのは、スモールスタート方式によって、協創の要となる顧客側のキーパーソンを巻き込みやすくなる点だ。

 大きな成果を生み出すシステムを作るには、ビジネスや業務に精通した顧客側キーパーソンの参画が欠かせない。しかし、そうしたキーパーソンはたいてい忙しく、システム開発に最低限の協力しかしてもらえないのが実情だろう。

 そこで、「今月はこの機能とあの機能を開発しましょう。使う部署はここ。その部署にしっかりヒアリングして作っていきましょう。もちろん、今月開発した機能の効果や使い勝手の検証は継続的に進めます」というスモールスタート方式で開発する。「顧客側のキーパーソンは『自分の意見がきちんと反映され、すぐ実現する』と感じられるので、当事者意識を持ってもらいやすくなる」と園田氏は話す。

 ちなみに、システム開発における顧客側の窓口は、利用部門の人である場合とシステム部門の人である場合が半々だという。全社で利用する「業務系のシステム」だと、ほとんどの場合でシステム部門が窓口になるが、「情報系のシステム」の場合は顧客側の利用部門と直接やり取りすることが多いようだ。顧客側のシステム部門と利用部門がうまく役割分担しているといえよう。

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