不祥事は、誰が起こすのか

不祥事の兆候や原因をデータであぶり出す 植村修一氏

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ビッグデータの時代はここにも

 今、「ビッグデータ」が注目されています。ビッグが意味する「膨大な」の定義は定まっていませんが、これまで使われていなかったデータを集めた上で、整理・分析して活用する仕組みと捉えるならば、気がつけばいたるところにビッグデータが存在していそうです(もちろん、最近、ビッグデータが注目されているのは、インターネットを通じた、文字通り膨大なデータの集積があるからです)。

 2014年2月21日の日本経済新聞「経済教室」に、談合の実証に関する興味深い論稿が掲載されました。ニューヨーク大学の川合慶助教授と東北大学の中林純准教授によるもので、公共工事の入札における談合の存在の可能性を、統計的に明らかにしようというものです。

 彼らは2003年から06年にかけての国土交通省が発注した膨大な工事のデータをもとに、2回目の入札が行われた工事のうち、初回入札の1位と2位の入札金額の差がほとんどなかったものを取り上げ、初回1位業者が2回目でも1位となる割合が実に97.51%にのぼることを明らかにしました。しかも、2回目入札において初回2位業者が初回1位業者に負けたのも同様に僅差である割合が非常に高いのです。

 このような関係は、初回2位業者と3位業者の金額の差がほとんどなかった場合には見られず、初回3位だった業者はほぼ50%の確率で2位業者に勝っています。すなわち、初回1位業者と2位業者が接戦のようなケースでは、2位業者は1位業者の2回目入札額をあらかじめ知っており、1位業者に2回目でも勝たせるよう談合が行われていると解釈しない限り、これら不自然さは説明できないとしています。

 この研究や、談合に関する一連の報道を通じて両博士は、談合をなくすためには、第三者による事後的な検証と、そのためのデータや記録の保存と開放が重要であること、そしてより透明化に向けた入札の制度設計が必要であるとしています。

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