不祥事は、誰が起こすのか

権威勾配が急すぎると、粉飾そして破綻という大事故につながる 植村修一氏

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 かねてより、カルテルや談合事件で、大企業の名前が出てくることを不思議に思っていました。コンプライアンスの重要性が繰り返し叫ばれ、少なくとも上場企業であるならば、法務部やコンプライアンス委員会、内部通報制度、社員への手引きの配布といった、相応の体制を整えているはずです。にもかかわらずいまだに徹底しないのはなぜでしょうか。

 そこで考えられるのは、競争より協調を重んじる日本社会の風土です。また、これとも関係しますが、企業の目が、主管官庁とそこが所管する法律に向いていて、独占禁止法や独禁政策に対する関心度が相対的に低いのかもしれません。この点、「独占禁止」というネーミングがもはや時代にそぐわず、海外で一般的な、「競争法」という呼称に変えたほうが、企業一般の関心を引く可能性があります。

 ちなみに、最近、日本企業が海外でカルテルの摘発を受け、巨額な制裁金を課されるケースが目立っています。EUの欧州委員会は、自動車向けベアリングで日本企業4社と欧州企業2社がカルテルを結んでいたとして、うち5社に総額9億5300万ユーロ(約1340億円)の制裁金を課しました。また、ブリヂストンは、米司法省との間で、自動車部品のゴムの販売に係るカルテルに関し事実を認め、罰金4億2500万ドル(約448億円)を支払う司法取引に合意しました。

 自動車部品に関しては、かねてより米司法省による日本の部品メーカーの摘発が続いています。2013年9月28日付の日本経済新聞で塩田宏之編集委員は、企業に対し、国際カルテルのリスクに対する注意を喚起するとともに、「一般論だが、カルテルに対する日本企業の甘さも見逃せない。日本には業界団体が多く、業界他社と接触する機会が多い。罪悪感も薄くなりがちだ」と指摘しています。そして、弁護士の見解を基に、(国際的には)「情報交換もアウトと考えた方がいい」とアドバイスしています。よほどの注意が必要です。

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