不祥事は、誰が起こすのか

権威勾配が急すぎると、粉飾そして破綻という大事故につながる 植村修一氏

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 本連載は、具体的な事例をもとに不祥事とは何か、なぜ繰り返し起こるのかをわかりやすく解説することで、多くの組織が健全に運営されることを目指すものです。その意味で、「他山の石」や「殷鑑遠からず」を生かすための連載です。

 なお、連載で扱ったものについては、事件・事故にせよ、内容はあくまでその時点でのものであり、その後、対応策を講じたり、体質改善に努めている例がほとんどです。現時点で当該組織が同じ問題を抱えているわけではない点を、あらかじめ強調しておきます。

懲りない企業

 いまだに、カルテルや談合で摘発という文字が報道から消えることはありません。最近では、段ボール製品の販売で価格カルテルを結んだとして、公正取引委員会が61社に計約132億円の課徴金納付命令と再発防止を求める排除措置命令を出しました。カルテル協議への役員参加も疑われています(2014年6月20日、日本経済新聞)。

 独占禁止法は、公正かつ自由な競争の促進を目的に、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法などを禁止しています(第1条)。このうち不当な取引制限とは、事業者が他の事業者と共同して、価格の引上げや生産・販売数量等について他の事業者と合意し、市場における競争を実質的に制限することで(第2条6項)、カルテルや入札談合がこれに当たります。違反行為に対しては、排除措置命令や課徴金納付命令といった行政処分が課され、さらに重大な違反行為に対しては、刑事罰が課されます。さらに、官公庁が発注する物件の受注調整案件において、発注者やその担当者が入札談合に関与する場合は、一般に「官製談合」と呼ばれ、発注機関の長に対し、入札談合等関与行為防止法に基づく改善措置要求が出されます。

 公正取引委員会がこうした命令や警告をしたときには、刑事告発も含め公表されることになっています。最近話題になったものとしては、北陸新幹線の融雪・消雪基地機械設備工事の入札談合に係る告発と、これに職員が関与した独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対する改善措置要求があります(2014年3月)。また、自動車輸出船の貨物運賃を巡るカルテルで、海運大手等に対し排除措置命令および課徴金納付命令が出された事案では、約227億円という課徴金の大きさが注目されました(同月)。

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