不祥事は、誰が起こすのか

グローバルに広がる不祥事の種 植村修一氏

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ネットを弄ぶ者はネットに弄ばれる

 インターネットに関係した不祥事と言えば、最近、ブログや交流サイト(SNS)における、悪ふざけや不用意発言がネット上物議をかもし、騒動になる、いわゆるネット炎上事件が増えてきました。有名な例では、コンビニのアルバイト店員がアイスクリームの陳列ケースに寝そべる画像をフェイスブックに投稿したところ批判が高まり、結局、この従業員が解雇されるとともに、この店はコンビニチェーンからフランチャイズ契約を解除され、実質閉店に追い込まれるという事件がありました(2013年7月)。この例では、契約の解除が行き過ぎではないかという問題提起も話題になりました。

 同じ頃、復興庁の参事官が、ツイッターで市民団体などへの中傷を行ったとして、30日の停職処分を受けました(6月21日)。同庁の発表資料によれば、参事官の行為が、国家公務員法第99条に規定する信用失墜行為に該当するとともに、勤務時間内にツイートしたことは、同法第101条に規定する職務専念義務に違反するというものでした。これからあまり日をおかない9月、今度は経済産業省の官僚がブログで、復興や復興対策が不要など、「著しく不適切な内容」の掲載を繰り返し行ったことが、同じく国家公務員法に定める信用失墜行為に該当するとして、2カ月の停職処分を受けました(9月26 日)。

 関東学院大学の岡嶋裕史准教授は、著書『ネット炎上 職場の防火対策』(日経プレミアシリーズ)の中で、後者の例を詳しく取り上げ、「この事例は地位やキャリアと情報リテラシが関係ないことを、如実に物語っています」と、極めて的確な指摘をしています。今や、アルバイトであろうが、高級官僚であろうが、誰でも等しく組織の信頼を崩す存在になり得ます。

 岡嶋准教授は、「リアルの常識はネットの非常識」として、「拙速を慎むのがリアル、拙速を尊ぶのがネット」「人の噂も七十五日なのがリアル、人の噂が75倍になるのがネット」という風に、2つの社会の違いをわかりやすく解説しています。ネットは、社会を変え、企業経営を変えつつありますが、アナログ世界、リアル世界の延長線上でリスク管理を考えていると、想定外のダメージを想定外のスピードで被る可能性があります。ネットを弄ぶ者はネットに弄ばれると言うべきでしょう。

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