不祥事は、誰が起こすのか

グローバルに広がる不祥事の種 植村修一氏

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不祥事のグローバリゼーション

 企業活動が国際的になるにつれ、不祥事も地理的な広がりを見せています。

 大手商社の丸紅は、2014年3月、インドネシアのタラハン火力発電所向けボイラー案件に関し、米司法省との間で司法取引契約を締結し、米司法省に対し8800万ドル(約91億円)を支払う旨合意したと発表しました。フランス企業の米国子会社を含むコンソーシアム(共同事業体)が2004年に受注した案件で、インドネシアの公務員に対し贈賄を行ったとして、米国連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)違反に問われたものです。2014年4月1日の入社式において、丸紅の國分社長は、冒頭のお祝いの言葉に続き、「まず始めに」として、この司法取引を踏まえたコンプライアンスの重要性について、あらためて説いています(同社のウエブサイト)。

 米国連邦海外腐敗行為防止法は、米国で上場する企業や、米国の国内企業や個人が外国公務員に対し賄賂を贈ることを禁じる法律です。最近の日本企業が絡んだ案件で、同様に米司法省と司法取引が成立した事例としては、ナイジェリアLNGプラントプロジェクトでの日揮(2011年4月、米司法省への支払額は約182億円)と丸紅(2012年1月、同42億円)、中南米での工業用品販売に関するブリヂストン(2011年9月、同22億円、ただし国際カルテルに関する米国独占禁止法違反容疑を含む)などがあります。かねてより米司法省は、外国企業に対する同法適用に積極的と言われており、支払額は大型化しています。

 一方、2011年7月、イギリスで施行された贈収賄法では、民間人に対して行われる賄賂も禁じている点や、イギリスで何らかの事業を行っている企業は責任を問われる可能性がある点など、そのリスクについて、専門家から警鐘が鳴らされています。

 コンプライアンスがますます重視されるようになっているのは、日本だけではありません。コンプライアンスは、もともと海外、とくに米国の流れが日本に及んできたものです。賄賂の問題に限らず、海外で活動しようと考える企業は、幅広く不正リスクを考慮する必要があります。

(注)日本円への換算は当時の為替レートに基づいています

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