不祥事は、誰が起こすのか

グローバルに広がる不祥事の種 植村修一氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 この結果に対し、同社のディレクターは、経済犯罪の被害を受けたとする日本企業の比率が低い点は、日本が不正リスクの低い国のひとつとされていることと整合的としながら、「日本では犯罪の発見率が低い、もしくは、気がついていてもあえて摘発しないという日本的体質も考慮に入れる必要がある」とコメントしています。

 かつて金融機関では、内部で職員による横領等が発覚しても、金額が少額であれば退職金等で補填させ、刑事告訴しない先が多く見られました。金融機関に限らず、「身内」の犯罪の場合、あえて表沙汰にしないという傾向が日本企業にあるのは、直感に適います。ただし、表沙汰になるような場合には、同種の行為がないか社内調査が行われるのが一般的です。それが、被害にあった先における件数の多さに反映されている可能性があります。

 また、この調査では、過去24カ月間に実際にあった不正と、今後24カ月間に発生する可能性がある不正の中身を尋ねています(後者は全企業が対象)。日本の特徴は、過去の不正で圧倒的に「資産の横領」が多く、次いで「贈収賄・汚職」が多いのに対し(世界全体と比較しても多い)、今後については、「サイバー犯罪」「知的財産の侵害」「マネーロンダリング」「反競争的行為」「インサイダー取引」などを懸念しており、その割合が世界全体と比較しても高いということです。サイバー攻撃や知的財産の侵害等、今どきの事件に関心が高いことは良いことですが、横領等の金銭的不祥事の発覚が連日報道されている実態を基にすると、在来型不祥事にも十分気をつけるべきでしょう。

 実は、この調査の結果について私が一番興味を持ったのは、各項目について、世界全体(5128社)とアジア太平洋地域(906社)の回答があまり違わないことでした。結果として日本の特異性が浮かび上がっています。このことをどう考えればいいのでしょうか。

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。