女性が活躍する会社

女性活躍推進の効果を最大化するには 大久保幸夫、石原直子氏

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意思決定ボードの多様性がレジリエンスを高める

 女性活躍推進は、株主にとっても大きな関心事です。

 東京証券取引所が企画したテーマ銘柄に「なでしこ銘柄」があります。テーマ銘柄とは、1400兆円もの金融資産を有する個人に、企業や投資に興味を持ってもらい、その行動によって日本経済を活性化させようとするものです。第1回はESG(Environment:環境、Society:社会、Governance:ガバナンス)に取り組む企業、第2回は価値のある特許を持つ企業、そして第3回は女性が活躍する企業として「なでしこ」が設定されました。女性管理職比率の情報公開や直近3年の自己資本利益率(ROE)が業種平均を上回っていることを条件に選んだもので、2013年に17社、2014年に26社が選ばれ、うち旭硝子、KDDI、住友金属鉱山、東京急行電鉄、東レ、ニコン、日産自動車の7社が2年連続で選ばれています。

株主の視点

 経済産業省のHPでの説明によると、なでしこ銘柄に選ばれた会社は、「多様な人材を活かすマネジメント能力」と「環境変化への適応力」が高いことから「成長力のある企業」であるとも考えられるとされています。

 ブルームバーグL.P.のグレゴリーエルダーズESGアナリストによると、米国・欧州では投資家が投資対象の銘柄を選定するにあたり、株式アナリストの株価予想の期待値が高い企業に加え、女性取締役が一定数以上いる企業の株を選ぶことでより高い株価上昇率となる傾向があります。日本でも安倍政権誕生後は欧米と同様の兆候が見受けられます。

 ブルームバーグでは、2009年より、環境・社会・ガバナンス(ESG)データについて700を超える項目で情報を提供しており、女性取締役に関する情報への投資家の注目度は高く、ESG項目のなかでも検索項目のTOP10に入るとのことです。女性管理職比率もよく見られていて、リスクと機会を事前に把握する目的でチェックしているようです(※2)。

 日本企業は、女性活躍を自社の株主や広く投資家に伝える行動を取ってきませんでした。それは女性が特に活躍している企業でもそうなので、まったく視野になかったのかもしれません。

(※2)「CSRを超えた"真の"ダイバーシティ・マネジメントへ」『Works』118号p.37の黒崎美穂氏インタビューも併せて参照のこと。

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