女性が活躍する会社

女性活躍推進の効果を最大化するには 大久保幸夫、石原直子氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

ES→CS論

 女性活躍推進をストーリーに仕立てている会社が、ストーリーの根幹に置いていることが多いのは、「ES」(従業員満足:Employee Satisfaction)から「CS」(顧客満足:Customer Satisfaction)へという道筋ではないかと思います。

 たとえば航空会社であるANA(全日空)グループは、「ANAらしさを活かし、企業価値を高める活動」「お客様満足(CS)と社員満足(ES)の向上」「安心と信頼のために、企業価値を守る活動」をCSRの基本的な考え方の柱に据えています。ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、多様化する社会からの期待や要請を的確にとらえ、持続可能な社会の発展に貢献するというストーリーを打ち出し、その要素にES・CSを置いて、そのなかに女性活躍推進を位置づけているのです。

 ANAホールディングス株式会社は、東証の「なでしこ銘柄」にも指定されていますし、『日経WOMAN』による女性が活躍する会社・総合ランキングでも6位になっている女性活躍の先進企業です。女性活躍を企業の経営理念の構図に組み込んでストーリー化することで、取り組みが持続的になるのです。

 顧客満足経営の研究で知られるハーバード・ビジネススクール名誉教授のジェームス・ヘスケットは、ESとCSが強い因果関係にあることをアメリカ企業に対する調査から明らかにしています(※1)。そして、顧客価値を主軸にビジネスを組み替え、従業員の参加と働き方の変革を引き出す「バリュー・プロフィット・チェーン」を提唱しています。

 ESからCSへの流れはサービス産業のなかでは広く普及している考え方だと思いますので、今後さらに顧客満足のために女性活躍推進に取り組もうという企業が増えてくるのではないでしょうか。

(※1)ジェームス・ヘスケット他著『カスタマー・ロイヤルティの経営--企業利益を高めるCS戦略』(日本経済新聞社)

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。