女性が活躍する会社

新人女性を確実にリーダーに育てるシナリオ 大久保幸夫、石原直子氏

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 実際には企業のなかで働き続けようとすれば、年月の経過とともに、単独でやる仕事ではなく、チームで進める仕事のなかで采配をふるう力を要求されるようになります。

 これは、「手に職」といわれるような専門職的要素の高い仕事であっても同じです。そういう仕事であっても、やはり誰かが、仕事を切り分け、人に任せ、結果を吟味する仕事をしなければならないのですから。人をまとめ、チームを率いるという役割を忌避し続けることは、自分の仕事の価値を狭めることに結果的になってしまうのです。

 リーダーシップとは「他者の力を借りてチームの目的を達する力」です。

 多くの研究が明らかにしているのは、リーダーシップは、先天的な才能ではなく、練習と経験によって獲得できるスキル・能力であるということです。

 大学時代に、リーダーシップというものを理解し、リーダーシップを発揮するためのコミュニケーションの方法、ゴールとマイルストーンをセットする方法、他者のモチベーションをあげさせる方法、といった基本的なスキルについての教育が行われていることは、社会に出るにあたって、大きな武器を与えることになるでしょう。企業も、このようなリーダーシップ講座を持っている大学で学んだ女性に、もっと着目してはどうでしょうか。

 また、実際にリーダーシップを発揮すべき場に身を置いた経験があるかどうかを知ることも必要です。

 共学の大学で過ごす女子学生の多くは、サークルやゼミなどでリーダーを決める時にも男性にその場を「譲り」ます。女子が男子を差し置いて代表のポジションにつくのは、なんとなく「イタい」し「モテない」感じがするからです。

 しかし、どんなに小さいグループであろうと、チームのリーダーという立場で何かひとつのことを成し遂げようとしたら、全員の力を引き出すことのむずかしさに直面し、試行錯誤を経て、どのように行動すべきかを学ばざるを得ない状況に置かれます。

 これを経験しているのといないのとでは、社会に出てからの「チームでの協業」における活躍度がまったく違うということは、企業で人を育てたことのある人ならば、実感しているのではないでしょうか。

 女子学生にこそ、リーダーシップ教育とリーダー経験を積んで、来る日に備えておいてほしいと思いますし、企業もこういう視点から女子学生のリーダーとしてのポテンシャルを見極めてほしいと思います。

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