女性が活躍する会社

女性育成の常識は間違いだらけ 大久保幸夫、石原直子氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 男性の社会では、当たり前のように、優秀な人は、いくつか階層が上の重役から「目をかけられる」ことがあり、その人のあと押しを得て抜擢されたり、新たなチャレンジに引き合わせてもらったりしています。しかし女性には、そのような役割を果たしてくれる人が、ほとんどの場合はいないのです。

 女性を本気でリーダーにしたいのなら、メンタリングだけでは不十分。その人の評判を周囲に広め、登用や任用の意思決定の場で影響力を発揮できる人をスポンサーにしなくてはいけない、というのが欧州企業のダイバーシティ担当者が、口を揃えて話してくれたことでした。

 ちなみに、欧州やアメリカの大企業では、すでに初級管理職のレベルには十分な比率で女性が登用されています。こうした企業がダイバーシティの次のテーマとして見据えているのが、エグゼクティブ層やボードメンバーの女性比率をもっと上げることでした。

 だからこそ、必要なのはメンターではなくスポンサーだというように視界が変化したのだということもできます。

 一部の日本企業は、欧米の企業がかけてきた年月をぐっと圧縮して、初級管理職だけでなく、上級管理職や役員になる女性をも、ここから数年で輩出しようとしています。先達が長い経験を重ねることによって発見した有用な情報である「スポンサーの必要性」というものを、ぜひとも日本企業の女性活躍推進に取り入れてほしいと思います。

大久保幸夫、石原直子 著 『女性が活躍する会社』(日本経済新聞出版社、2014年)第1章「女性育成の常識は間違いだらけ」から
大久保 幸夫(おおくぼ ゆきお)
リクルートホールディングス専門役員、リクルートワークス研究所所長。1983年一橋大学経済学部卒業。同年、リクルート入社。人材総合サービス事業部企画室長、地域活性事業部長などを経て、1999年人と組織の研究機関であるリクルートワークス研究所を立ち上げ、所長に就任。2010年から2012年まで内閣府参与を兼任。2011年より専門役員就任。2012年より人材サービス産業協議会理事を兼任。専門は人材マネジメント、労働政策、キャリア論。

石原 直子(いしはら なおこ)
リクルートワークス研究所主任研究員。都市銀行、人事コンサルティングファームを経て2001年よりリクルートワークス研究所に参加。一貫して人材マネジメント領域の研究に従事し、近年はタレントマネジメントの視点から、次世代リーダー、女性リーダー等の研究を進めている。2013年発表の「提案 女性リーダーをめぐる日本企業の宿題」作成にあたってプロジェクトリーダーを務めた。2014年度、独立行政法人経済産業研究所の「ダイバーシティと経済成長・企業業績研究プロジェクト」委員。

キーワード:経営、管理職、企画、人事、人材、経営層

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。