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女性育成の常識は間違いだらけ 大久保幸夫、石原直子氏

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「ロールモデル探し」は思考停止

 つまり、キャリアに悩む女性がそろって言う「ロールモデルがいない」問題ですが、これを企業としてあまり真に受けなくてもよいのではないかと思うのです。ロールモデルがいなければ自分の働き方やキャリアを決められないほど、今の女性たちが弱々しい存在だとは思いません。

 ロールモデルがいない、というのは一種の「思考停止ワード」だと考えることもできます。2010年代というのは、働く女性の絶対数も増えてきて、企業側がさまざまな制度を整備して、女性のリーダーを増やすことにも前向きで、各種のあと押しをしてくれようとしている、そんな時代です。

 このような条件のもとでキャリア構築をした女性はこれまでの日本にはほとんどいません。つまり、これから多方面にキャリア展開する今の30歳前後の女性たちがパイオニアなのです。

 ですから、女性をリーダーに育てたいなら、「彼女たちのためにロールモデルを探してあげなければ」と思い込むのは、もうやめにしたらいかがでしょうか。

「これまで誰もやってこなかったことだからあなたに頑張ってほしい」

「条件は違うかもしれないけれど、社内の○○さんや△△さんに仕事の進め方を聞いてみたらいい」

というように、思考停止しそうになっている女性たちを解放して、背中を押してあげるほうが女性たちのモチベーションは向上すると思います。もちろん、「○○さん」や「△△さん」を、女性に限定する必要はありません。男性の働き方や仕事の進め方から自分に役立つヒントを得ることは、まったくもって自然なことです。

 そしてもうひとつ、複数の人の「良いところ」や「悪いところ」から学ぶべきである、と明確に伝えることです。たとえ均等法世代の女性の先輩の働き方を魅力的だと思わないとしても、「ああいう風にはなりたくない」と思わせてくれる時点で立派なロールモデルだとも言えるのです。「ああいう風」ではない働き方を自分がすればよいのですから。

 会社が、どんなに素敵な女性を見つけ出して「ほら、この人がロールモデルですよ」と差し出したとしても、それがリーダーになる女性を育てるにあたっての特効薬になるわけではないのです。

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