「論語と算盤」と現代の経営

社会貢献になる義を思い切ってやる勇を持つ 守屋淳氏

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 そうすると、

勝兵はまず勝ちて、しかる後に戦いを求め、敗兵は、まず戦いて、しかる後に勝ちを求む(あらかじめ勝利する態勢をととのえてから戦う者が勝利を収め、戦いをはじめてからあわてて勝機をつかもうとする者は敗北においやられる) 軍形篇

とあったりします。「あ、これだ」と思いました。何かやるなら、まず勝つ準備をいろいろやればいいんだな、と。企画というのは、まさしくそうだと思いました。

 そういう意味で『孫子』から入ったのです。『孫子』を読んでいるうちに、最初の、「勝つためのうまい方法をどこかから見つけてやれ」という見方は間違っていて、「負けないことが目的だ」ということがわかってきました。そうすると、何となく『論語』も関係しているのではないか、と思うようになってきました。それで『論語』を少し読もうかと思ったのです。

守屋 今『孫子』のほうで、お仕事の内容で当てはまる面があったということをおっしゃっていましたが、『論語』の方はいかがでしょうか。読まれてみて具体的に、例えば社長のお仕事の中で、国際関係の中で『論語』が役に立ったという例は、何かありますでしょうか。

岩崎 役に立ったというより、「え、こういうことを『論語』で言っていたのは、もしかしたら今やっているこれじゃない?」ということに幾つか当たります。非常に単純には、

義を見て為さざるは勇なきなり(義だとわかっていて行動に移せないのは、行動力に欠けている証拠である) 為政篇

とありますよね。最初はこの言葉を、軽く考えていたんですよ。義とは何か。これは、今でいったらCSR(企業の社会的責任)ですよね。社会貢献になることが義ではないかと思います。そういうことをやろうと思ったら、思い切ってやる勇を持たなくてはいけない、ということです。例えば今、環境問題などが騒がれています。化学産業というのは変な物質を無害にするといったことが得意です。得意なのであれば、それを事業としてやることを決めなくてはいけない。それは、最初にそう決める勇を持てばいいだろうと思います。

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