クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「不在時に配達してほしいか?」――お客様が喜ばないのは会社が悪いから 岡田知也氏

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 私にとっては壮大な話だったので、少し慌て気味に席に戻り、上司部長に相談したところ、「自由な発想で進めてみたら」と、これまたいとも簡単に言われてしまいました。「会社ってこんなところ?」。光栄な気持ちと不安な気持ちが交差しましたが、この漠然としたプロジェクトに着手しました。

 私が小倉氏の指示を聞きながら、大切だなと思ったことは1点です。JRと協力してお客様が喜んでいただけるサービスを開発し、その先に結果として、JRとヤマト運輸との関係がつくれれば良いということ。この考え方は、生き続けるクロネコ遺伝子の、原点の1つでもあります。無駄な競争は世の中のためにならない、という考え方です。

 では、彼(小倉昌男氏)の頭の中で、無駄な競争とは何を指すのでしょうか。単に競争をしないということでしょうか。競争せず、安穏としていれば、会社の成長はなくなります。単純に競争はしない、ではないのです。『無駄な』競争をしないということです。それでは、無駄とはどんなことなのでしょう。小倉氏の言う無駄とは、無益なことです。無益とは、世の中のためにならないこと、と考えていました。

 ここで言う無駄な競争とは、同じ製品やサービスを、安売り(ダンピング)したり、強引な営業力でお客様を獲得しようとすることです。そのような体力があるのなら、もっと世の中のためになるサービスを提供していくべきだ。ライバル企業が提供できていないサービスを提供できれば、世の中の人がもっと喜んでくれる。そう本気で考えていました。

 私に課せられたテーマも、お客様が求める新しいサービスを開発し、利用者に選んでいただけることが最大の営業で、単純に値引きや接待などで強引に獲得するものではない、という視点に立った新しい考え方を求めていたのだと思います。

 常に革新を自らに求めていく、無駄な競争をしないことが世の中のため、それがクロネコ遺伝子の考え方なのです。

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