クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「不在時に配達してほしいか?」――お客様が喜ばないのは会社が悪いから 岡田知也氏

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 クロネコ遺伝子とは、「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男氏が愛情を注ぎ育て上げたヤマト運輸の遺伝子であり、小倉氏の人格そのものです。私が会社員として青春をともに過ごした仲間は、今もヤマトの中枢で活躍しています。彼らの中にも同じ遺伝子が脈々と受け継がれていることを感じます。これはとても喜ばしいことです。

 では、その遺伝子とはどのようなものか? 一歩離れたところから、かつて小倉氏から直接受けた言葉やその行動を振り返りながら、強いクロネコ遺伝子の秘密を私なりにまとめたいと思います。

ひらがな経営

 会社を経営するために必要な知識には、難しいことがたくさんあります。しかし、小倉昌男氏は、会社を支えている多くの社員にとって、そうした経営知識を得ることより大切なことがあると思っていました。こだわっていたのは「ものごとに対する考え方」です。考え方さえしっかりしていれば、仕事で起こりうるさまざまなことに自分(社員)できちんと対応していけると考えたからです。

 それは、人生における親の教育や、幼稚園、小学校、中学校までの義務教育に似ています。「誠実であれ」「人に優しく」「正直に」「希望を持って」......など、これらの過程で私たちは、生きていくうえで必要な基本的な考え方を学習していきます。きちんとした考え方さえ持っていれば、正しい幸せな人生が送れると考えられているからです。

 ただし、この「考え方」というものは、頭で理解するだけではいけません。心でも受け止める(理解する)ことができないと、実行に移せるものではないからです。小倉氏は、幹部や社員に向けて言葉を発信するとき、難しい経営用語ではなく、誰もが必ず、心で理解できる、「ひらがな言葉」で語りかけてきました。

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