クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「やさしく言えるから管理職」――できないのは自らが理解していないから 岡田知也氏

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会社の主治医

 私が本社勤務をしているとき、私が20歳代後半の頃のことです。

 細かい経緯は記憶があいまいなので省略しますが、社員としての業務との兼任で労働組合の支部委員長への就任を要請されました。組合の活動はとても大切だし、将来のための勉強にもなると。当時、お恥ずかしい話ですが、私は労働組合にはまったく興味がありませんでした。理解が不足していた私は、茫漠とした不安感を抱きました。

 時は少し進み、私は労働組合本部に挨拶に行きました。労働組合幹部に紹介され、手続きを踏み、本社職場を中心とした労働組合支部の委員長に就任したのです。ヤマト運輸の労働組合は会社側ととても良好な関係にありました。過去、どんなに経営が厳しくてもリストラをせず、社員を大切にしてきた小倉昌男氏に信頼を寄せていたからです。

 労働組合のなかに入ってみると、それまで私が描いていた労働組合とはまったくちがっていました。支部のメンバーは、職場で働く職員が気持ち良く働けるように、改善提案も多く出してきました。また、現在会社が進んでいる方向に、誤解や理解不足がないように、職員への説明もできるかぎり時間をかけて行っていました。その後、私は別件で小倉氏に面談した際、労働組合支部委員長に就任したことを報告しました。

 すると小倉氏は、こう言いました。

『私は、労働組合の活動は会社にとってとても大切な存在だと思っています。人の体にたとえると、体中を流れる血液と同じ。会社が頑張って強い骨や筋肉をつくっても、血流が滞っていては、元気な体にはなれません。どこで血流が止まっているか、教えてくれるのも労働組合です。だから、労働組合は会社の主治医みたいなものかもしれませんね。主治医は大切にしなくてはなりません』

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