クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「やさしく言えるから管理職」――できないのは自らが理解していないから 岡田知也氏

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 クロネコ遺伝子とは、「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男氏が愛情を注ぎ育て上げたヤマト運輸の遺伝子であり、小倉氏の人格そのものです。では、その遺伝子とはどのようなものか? 一歩離れたところから、かつて小倉氏から直接受けた言葉やその行動を振り返りながら、強いクロネコ遺伝子の秘密を私なりにまとめたいと思います。

やさしく言えるから管理職

 お客様と第一線で接しているセールスドライバーや管理部門で働く若手社員にとって、会社の方針や上司からの指示は難しく聞こえることがあります。管理職にとっては容易に理解できることでも、一般社員やパートの方にとっては、難解なことというのはあるものです。

 小倉昌男氏は管理職に向けて言いました。

『やさしく言えるから管理職です。聞く側(部下)が難しく感じるということは、理解できないということです。理解してもらわなければ、部下の方は会社が求めている行動が十分にできなくなってしまいます。人は理解していないことはやりたくないし、できないものです。部下を含めた社員がこれでは、組織はまとまりません。だから管理職が必要なのです。管理職の一番の仕事は、きちんと理解してもらえるように伝えることです』

 管理職に求めることを明確に伝えたのです。さらに、

『やさしく言えないというのは、管理職自らが理解していないということだ』

とも言っています。管理職が、自らの上司から自分が言われたことを単に伝えるだけになっていたり、伝える相手(部下)の理解度を考えずにしゃべっていただけではいけない、と教えたのです。

 小倉氏は常々、『会社の管理職は役割だ』と言っていました。社員にはそれぞれの役割がある。管理職の言葉をそのまま伝えても、役割が違う社員には伝わらない。しかし、会社はさまざまな役割を受け持つ社員がいるから成り立っている。必要ない役割はない。必要だから役割があり、それを担当する社員がいる。その大切な社員に、伝えることができなければ、管理職として存在している意味がない。というのが持論でした。

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