クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「失敗を他人のせいにしない」――その段階で自らの成長はない 岡田知也氏

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 あるとき、労働組合のトップである本部委員長が私に話しかけてきました。

本部委員長 どう、組合活動にも慣れたかな。苦労も多いと思うけれど、頑張ってくださいね。私(委員長)が人に話すときに気をつけていることがある。同じことを言うのにも言い方があるんですね。

 バラは「美しい」が「トゲ」がある。または、バラは「トゲ」があるが「美しい」。どちらが印象がよいと思う?

 そうですね......。後者ですかね......

本部委員長 そうなんだよ。最後に美しいという言葉で終わったほうが、バラの印象もよく思えるよね。私(委員長)はいつも人と話をするとき、最後に印象のよい言葉を残すように心がけているんだ。参考にしてごらん......

 労働組合を会社の主治医と考えていた小倉氏は、この委員長のこともとても大切にしていました。その委員長も、言葉を大切にする。まさに、小倉氏の遺伝子を受け継いでいたのだと思います。

 たしかに、バラを人間に置き換えて考えてみるとどうでしょうか。「美しいがトゲがある」と言われるより、「トゲはあるが美しい」と言われるほうが、語尾の言葉が頭に残るのでよいイメージがあります。人心掌握術とでも言うのでしょうか。委員長は、人に対して、欠点を責めるのではなく、長所を見てあげるようにしなさい、と説いていたのです。その結果として、互いを認め合うということです。

 小倉氏も日頃から、外国人に対しても、障がい者に対しても、愛情と敬意を持って接していました。

 労働組合委員長も、多くの社員に対して、人の良い部分を見て、愛情と敬意を持って接していたのだと思います。

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