クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「失敗を他人のせいにしない」――その段階で自らの成長はない 岡田知也氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 心にネクタイをしていたら、いつも相手と距離を置いている自分を見せているようなものだ。自分の心を開いて人と交わらなくては人も心を開いてくれない。作業着に着替え、見た目だけ変えても打ち解けられない。心にあるネクタイをはずしてごらん――。当時の上司は、私にそう語りかけてきたのです。

 クロネコ遺伝子を受け継いでいる人(上司)は、言われる当人(部下)にとってはとても大切な事柄であればあるほど、愛情と敬意を払って話しかけていくのです。

バラはトゲがあるが美しい

 現場では、いろいろなことを口頭で伝える場合が多くなります。セールスドライバーが多くいる職場では、話して伝えるという手段がもっとも大切です。特にメールなどない時代には、会話することは、伝達する意味でも、コミュニケーションをとる意味でも、もっとも重要視されていました。

 小倉昌男氏は、一般的な運送業の社長のイメージとちがい、声を張り上げたり、強い口調で話したり、直接的な言葉を使うことはありませんでした。逆に、普通の人より丁寧な言葉を使っていた印象がありました。

 前に取り上げたように、私が「将来の勉強になるから」と言われ、労働組合支部委員長になったときのことです。

 当時から、会社と労働組合の関係は良好でした。小倉氏が、経営が厳しいときにも決してリストラをしなかったからというのが、経営側が労働組合から信用を得ていた理由です。私の場合は支部委員長といっても専従ではなく、会社の仕事をしながら組合活動をするということで、大変勉強になった期間でした。労使の間に対立関係はなかったので、会社と社員の間に立ち、会社が考えていることを社員に理解してもらったり、社員の意見を聞き会社に伝えるというのが、活動目的でした。

 当時でも会社には数万人という社員が働いていましたから、それらの人をまとめていけなければ(ガバナンス)、お客様に良いサービスは提供できません。労働組合というところは、人と人とのつながりや気持ちを束ねていかなくてはなりませんでしたから、仕事とはちがうやり方の努力が必要でした。

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。